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不動産業界の「不透明さ」を解決!注目の不動産テック企業が目指す変革【Fan’sインタビュー前編】

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不動産業界では、常に情報を不透明にしてしまう慣習が問題とされてきました。
海外を見渡すと、不動産業界をテクノロジーの力で変革を起こそうとするRetech(Real Estate×Technology)の動きが活発になってきていますが、日本ではまだまだその動きが弱いのが現状です。

今回は、そんな不動産業界をITの力で変えていこうとしているベンチャー企業、株式会社Fan’sへのインタビューです。新卒5年目で取締役に就任した取締役 田中雄一郎様と、AIを活用した最新不動産サービス「HAYAGAI」のプロダクトオーナーを務める永井章志様(以下、敬称略)にお話を伺いました。

前編では、同社が不動産業界の変革に挑む想いや「HAYAGAI」のサービスについて伺っていきます。

ITを活用して不動産業界を変えるという強い想い

まずアナログな電話営業を廃止

ー貴社の事業内容について教えてください。

▲田中雄一郎様

田中「もともと創業からずっとやっているのは投資用マンションの販売事業です。そこを起点に付随するサービスを幅広く展開しています。創業当時は他社から仕入れたマンションをお客様に販売する事業だけでしたが、今は自社でディベロッパーとしてマンションを建てる事業、販売した物件を自社で管理する事業、管理している物件に居住者を入居付けする事業も行っており、創業から4年ほどでこの一連の流れをワンストップでできるようになりました。

また、当初は基本的に電話営業を始めとするアナログな手法でお客様を集めていました。しかし、世の中でどんどんWeb集客が主流になっていく中で、当社もWebからの集客を強化しないといけないだろうということで、6年ほど前から「マネカツセミナー」という事業も始めました。昨年の1月からは電話営業を完全になくして、Web集客にシフトしています。」

ーWeb集客もそうですが、不動産業界にITを取り入れていくところに力を入れているのだとか。不動産業界にはどんな課題があるのでしょう。

田中「今までの不動産業界は、自社が売却した物件を他社に紹介しない「囲い込み」が横行するなど、情報が不透明な慣習がありました。しかし他の業界でどんどん情報が透明化されていく中、不動産業界だけがずっとブラックボックスのまま進むことはありえません。だったらそこを早く変えていけるようにしていきたいということで、ITを活用した不動産業界の変革に取り組んでいます。

情報の透明化はもちろんですが、不動産業界は資料の管理も含めお客様のデータ管理や資料作成まで、業務フローの1個1個を見ても非常に非効率なことが多いので、そこをどう効率化していくかも課題です。今までの業界の慣習だと、月の物件販売数を30件から60件に増やそうと思ったら営業マンを倍に増やさないといけないという考え方でした。そこを同じ30名で2倍の売上を作るにはどのように業務フローを整えるべきなのか。そういう観点でも事業を展開しています。」

業界の在り方を反映した理念

ーまさにReTechですね。貴社は「ファンになっていただける企業になる」という理念を掲げていますが、これにはどんな想いが込められているのでしょうか。


田中「これも不動産業界の慣習に起因しているのですが、創業メンバーが前職で感じていたのが「不動産会社は投資物件を売って終わりになっている」という点です。最近でも、とにかくローンが通るぎりぎりまで物件を当て込んで買わせる業者が問題になっていましたが、極端な話、買った人が損をしても関係がないという考えの会社もあります。

それだと長い目で見たときに、この会社から商品を買ってよかったとは思ってもらえません。そこでこの業界を変えられるようなことがしたいという想いで起業した代表が目指した世界観が、「ファンになっていただける企業になる」という理念に表れています。

お客様にもこの会社から買ってよかったと思ってもらって“ファン”になってもらう。そして、中で働いている社員にもこの会社でいろいろな経験ができてよかった、この会社に入ってよかったと思ってもらってこの会社の“ファン”になってもらう。そういう会社を目指しています。お客様と相対している従業員が会社のファンになっていないと、そもそもお客様にその会社のファンになってもらうことはできませんから。」

AIで不動産業界をクリーンにする「HAYAGAI」

業界構造を覆す新サービス

ーでは新しく始めた「HAYAGAI」というサービスは、不動産業界をどのように変えていこうとしているのですか。

永井「さきほど田中も説明した通り、不動産業界はブラックボックスになっているところがあります。我々が業者から物件を仕入れるときも、土地情報や建物の情報は地場の不動産や地主さんしかもっていないものもあるので、間に業者が何社も挟まっています。その全ての会社がマージンを取るので、売る人は売却価格が安くなり、買う人の価格は高くなってしまいます。

経営陣は、こういう業界構造になっていることがそもそも不動産マーケットとしてよくないと考えていたところです。そこで1つ新しい事業を作ることで業界全体を透明化し、よりよいマーケットを作っていけないかということで誕生したのがHAYAGAIというサービスです。

HAYAGAIではお客様がお持ちのワンルームマンション物件の相場を簡単に掲示し、そのあとの売却までをサポートします。エンドのお客様から直接物件を買い取れるようにすることで、当社は安く仕入れられますし、家主からすると中間手数料のマージンをとられないので高く売ることができるのです。」

田中「不動産会社がコンビニより多いという事が時々話題になりますが、異常なことだと思います。コンビニは日常的にほとんどの人が使いますが、不動産は頻繁に使うわけではありません。それなのにそれだけ多くの会社が存在しているのは、1つの取引にいろいろな会社が関わって、いろいろな利益を得ているからなんです。物件を売ったり買ったりするエンドユーザからすると、かなりのマージンを抜かれていることになりますよね。」

不動産マーケットをクリーンに

ーそこで取引を透明化し、「高く売れて安く買える」を実現しているのがHAYAGAIなのですね。

▲永井章志様

永井「はい。あとはAIを使っているので査定のスピードも早いです。当社が創業から8、9年間で培ってきたデータや、仕入れをしてきた社員のナレッジ、さらにシンクタンク等のデータを含めたビッグデータを作ってすべてロボットにインプットし、自動で物件の査定ができるようにしました。

今までの不動産では、お店に行ってオーダーしてから査定を出すまでに数日かかかり、さらに売るまでに何ヵ月もかかるのが当たり前でした。HAYAGAIでは、お客様のローンの状況にもよりますが、早ければ3日、遅くとも1か月くらいでお客様にお支払いができるように取引が進められます。

また、ポイントなのは間に仲介会社を挟んでいないので、お客様から手数料をもらっていない点です。我々が売る側として利益を確保できているので、お客様からも利益をとってしまうと、いわゆる「両手」と言われている不動産の悪しき習慣になってしまいます。そうならないようにお客様からは手数料をとらずに売っていただくことで、高く売れて安く買える人がどんどん増えるのでマーケットがクリーンになりますし、取引実績が増えれば増えるほどビッグデータの質も上がっていきます。

今HAYAGAIで扱えるのは東京都23区の物件だけなので、そこのデータの量と質を上げていくのはもちろん、今後は対象エリアを全国に拡大していきたいですね。」


前半はここまで。
後編では、不動産業界の変革を後押ししているともいえる、若手でも活躍できる同社の社風について。さらにお二人が今後どんなことに挑戦していきたいかをお伺いします。

後編はこちら
不動産投資を当たり前に!ITと不動産の融合を目指すベンチャーの挑戦【Fan’sインタビュー後編】

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この記事を書いた人:

高澤夏紀

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

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