シェアリングエコノミーとは?メリットとデメリット、日本で利用できるサービス事例4選
中国でシェアサイクルサービスを提供するモバイクが、日本でサービス展開を始めたとのニュースで話題になっているシェアリングエコノミー。
それもそのはず、シェアリングエコノミーの2016年の市場規模は1兆円を超え、将来的には2兆6000億円になる見通しといわれる程です。(情報通信総合研究所より)
大きな成長を見せているシェアリングエコノミーですが、なんと2015年頃にできた新しい概念であり、参入している企業はほとんどベンチャー企業です。
そんなシェアリングエコノミーの概要と、ベンチャー企業が提供しているサービスの例を紹介します。
目次
新規参入が激しい!シェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーの概念
シェアリングエコノミーとは、個人が所有する遊休資産を、インターネットなどを通じて個人間で貸し借りすることで成り立つ経済の仕組みのことをいい、貸主は遊休資産を活用することによって収入を得られ、借主は物を所有しなくても利用できるのが特徴です。
インターネットやスマートフォンが普及し、情報交換が容易になったことでできるようになった、新しい概念といえるでしょう。既存の市場を一新し、アイディア次第でどのようなサービスでも提供できるため、新規参入が激しく、ベンチャー企業やグローバル企業がとても多いです。
以前は、共有するものといえば物品がメインでしたが、総務省の定義を見ると、空間、物、スキル、移動、お金の5つの分類ができるまでになりました。
シェアリングエコノミーが目指すもの
また、それらを共有することによって得られるのは、貸し借りでのお金のやり取りだけではありません。
例えば、空いている部屋を共有することで、外国人観光客の増加や観光地での消費を促したり、車を共有することで渋滞を緩和することによって無駄な時間が削減でき生産性の向上につながるなど、大きな経済効果を生み出す可能性を秘めています。
しかし、メリットがある反面、デメリットも指摘されています。次に、シェアリングエコノミーのメリットとデメリットをご説明します。
シェアリングエコノミーのメリット
遊休資産を有効活用できる
シェアリングエコノミーサービスは、使っていない車を個人や会社に貸し出すカーシェアリングや、空き地や使われていない駐車場を駐車スペースとして貸し出す駐車場シェアなどが広がりを見せています。
こうしたサービスを使うことで、これまで活用されずに眠っていた車や土地などの価値ある資産を活用できます。個人だけでなく、企業の遊休資産も有効に活用できるようになるため、借りる人だけでなく貸す人にもメリットが生まれます。
借主は格安で借りることができ、貸主は初期費用がほとんどかからない
シェアリングエコノミーで共有される車や駐車場は個人や企業がすでに所有しているけど活用していない資産です。もともと利益目的でなく所有していた資産なので、リーズナブルな価格貸し出すことができます仕組みになっています。
また、貸主もすでに所有している資産を貸し出すだけなので、初期費用がほとんどかかりません。サービスに登録するだけで利用料を得ることができるようになります。
新たな消費や経済の発展を促す
ものがシェアされることで、利用者の生活が便利になることはもちろん、社会的な経済効果を生む可能性を秘めています。車や駐車場の不便が解決されれば、人気のイベントや遠方に出かける機会が増え、消費促進につながります。
またシェアリングエコノミーで共有されるものは、上記のような車や駐車場だけでなく、人材やスキルまで多岐に渡ります。働きたくても働けない人でも、短時間からスキルを活用できるので、新たな雇用機会が生まれます。
このように、シェアリングエコノミーが普及することが経済の発展に貢献すると考えられているのです。
シェアリングエコノミーのデメリット
しかし、もちろんデメリットもあります。
不特定多数の人と個人間で貸し借りをするため、トラブルになるリスクがある
資産を貸し出すのは事業としてサービスを運営する企業ではなく、一般の個人です。サービスのクオリティを担保することが難しく、借りたものが思っていたものと違うことや、条件の認識に相違がありトラブルになるなどのケースが発生します。
貸主にとっても、貸したものが破損している、ルールを守られずに利用されるなどのリスクが存在するため、容易にはサービスを利用できないという声もあるようです。
既存事業者がダメージを受ける可能性がある
上述したように、シェアリングエコノミーの大きなメリットの一つは借主が格安で利用できるようになることです。つまり、これまでの市場に格安で参入することになるため、例えばレンタカーやコインパーキングなどの既存事業者にとってはシェアリングエコノミーは脅威になります。
法律の整備が追い付いていない
もっとも危険視されているのが、法整備が整っていないという点です。新しい分野であるため、法整備が追い付いておらず、グレーゾーンでのサービス提供や違法なサービスを取り締まる体制にありません。こういった状況では、既にある市場が破綻する可能性があります。
政府が法整備を進めようとしていますが、業界全体に浸透するにはかなり時間がかかりそうです。
デメリットへの対策
こうしたデメリットを解決するための対策として、シェアリングエコノミーで使用するアカウントとFacebookやTwitterなどのSNSのアカウントを紐づけて、利用者に透明性の高いサービスを提供したり、個人認証を必須にして仲介者側で安全を確保するなどの工夫が見られますが、トラブルになるリスクは避けて通れないようです。
また、新しい概念が故に、法律の整備や人々の理解などが追い付いていないため、シェアリングエコノミーの認知の向上などの働きかけが必要になります。
ベンチャー企業のシェアリングエコノミーの事例
次に、今注目のシェアリングエコノミーサービスを紹介します。
Airbnb(エアービーアンドビー)
Airbnbは、2008年からサービスを開始しているシェアリングエコノミーの先駆者です。空いている部屋や別荘を旅行者などに貸し出せる、いわゆる民泊の仲介サービスで、世界192か国33,000都市で80万以上の宿が利用されています。
全ての物件には既に利用したことのある人からのオススメや、レビュー、レーティングが掲載されており、借主の安全確保や、ミスマッチの防止に努めています。
akippa(アキッパ)
akippaは使っていない駐車場を貸し出せるサービスです借主は事前に駐車場を予約できるため、都心や人気スポットでも確実に駐車でき、オンラインで事前決済するため入出庫がスムーズに行えます。観光地の近くであっても格安の料金で貸し出しており、観光地の駐車場不足の解消に一役買っています。
駐車場の登録、予約から利用、支払いまで、全てインターネットを利用した、ある種ReTechともいえるサービスでしょう。
CaFoRe(カフォレ)
CaFoReは使っていない車をカーシェアリングとして貸し出せるサービスです。日本で車を持っている人の平均利用率は5%で、年に20日ほどしか乗られていないといわれています。
利用頻度が少ない車や眠らせている車をシェアすることによって、貸主はその遊休資産で収入を得られ、借主は車を利用したい時だけ格安で借りることができます。借りる側も貸す側もCaFoReが提供している保険に入らなければいけないので、万が一事故が起きても安心ですね。
車を持つ人が減ってきている今、Uberなどの移動のシェアリングエコノミーサービスが世界で利用されているように、これからの移動方法の常識になるかもしれません。
ecbo cloak(エクボクローク)
ecbo cloakはカフェなどのお店の空きスペースに、コインロッカーと同じ料金で荷物の預け入れをできるサービスです。旅行者と観光地周辺のお店がメインの利用者で、荷物が大きすぎてコインロッカーに入らない、ロッカーが空いていないなどの観光地ならではの悩みを解消するものです。
旅行者はお店に預けるため盗難のリスクが低く安心で、お店も空きスペースの有効活用だけでなく、そのお店に預けた人が商品などを購入してくれるメリットがあります。
シェアリングエコノミーの秘めた成長力
シェアリングエコノミーは、効率的に遊休資産を活用できるだけでなく、消費が促されたり、渋滞が緩和されたりと、二次的なものも含め、大きな経済効果を生み出す可能性があります。
最初に紹介したモバイクですが、実は2016年にサービスが開始されたもので、それから1年後の現在(2017年)では、既に全世界100都市以上に進出しているなど、シェアリングエコノミーはとてつもない成長力を秘めています。
安全性や法律の整備など課題はまだまだありますが、アイディア次第でこれからのライフスタイルが大きく変わることになるでしょう。
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