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自己実現のための健康管理!RIZAPが展開する法人向け健康支援サービスとは 【RIZAPインタビュー前編】

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「結果にコミットする。」のフレーズでお馴染みのパーソナルトレーニングジムRIZAP。ダイエットのイメージが強いですが、他にも様々な事業を行っています。
今回は、同社ヘルスケア事業推進ユニット・ユニット長の松崎主税氏に、法人向けの健康支援サービスについてお話を伺いました。

RIZAPが展開する、法人向け健康支援サービス

「自己実現」を軸に据える

――法人向け健康支援サービスの具体的なサービス内容を教えてください。

「テーマは「夢を叶えるための、RIZAP式ボディメイク術」です。私たちは基本的に、「健康」をサービスの軸にはしていません。「健康」といってもお客様、特に年齢の若い方にはピンとこないし響かないと思うからです。

そこで私たちが一番大事にしているのは「自己実現」という軸です。つまり、お客様の夢を叶えるために、理想的な体の作り方を話し合っていくことに重きを置いています。そのため、法人向けの健康プログラムも、自己実現のための手段として捉えています。プログラムを通して自分の理想像と現状の間にあるギャップを分析し、夢に近づくために必要なことを実行していくという内容です。

3か月間の出張型プログラムの場合、3か月後に夢を叶えられる状態になれるよう計画を立て、成果を確認しながら運動と食事指導を1週間ごとに実施していきます。その結果、副次的に健康になれるのです。」

――一般にRIZAPというと個人向けサービスのイメージですが、法人向け健康支援サービスが誕生した背景を教えてください。

「1対1のパーソナルトレーニングでは体重を落とすことができ理想の体になれるだけでなく、内臓脂肪の減少や悪玉コレステロール値の改善など、健康に関して好影響があることがわかりました。もっと多くの方に受けていただきたいと考える中で、1対複数人で受けられるものであれば費用もリーズナブルにできるので、全国の法人の健康管理に着手しようと思ったのです。

法人において健康管理といえば年に一回の健康診断がメインだと思いますが、この健診と健診の間に何もサポートが少ないということに注目しました。サポートがないと、例えば健診の直前だけお酒を控えるとか、健診はその場しのぎで乗り切るようなイベントだと捉えられがちです。

サイトより引用


https://www.rizap.jp/lp/corp/healthseminar/

しかし、この間に“何か”することによって健診が楽しみなイベントになるのではないかと思いました。悪い数値が出ることを心配しながら受診するよりも、自分の努力がどこまで数値に現れているのか確認できるような、そんな楽しみなイベントになればいいなと。そこで法人向けに1対複数のプログラムをつくり、食事管理や運動管理などをやってみよることにしました。

それから、自治体にもメリットがあります。働いている年代の人たちはそれほど医療費を使わないのですが、退職後には急激に医療費が増えます。働いている間は保険料の一部を会社が負担していますが、退職後はそれがなくなるのでどうしても自治体の負担が増えてしまいます。超高齢化社会を控える今、医療費の削減は、国が解決したい優先度の高い課題なのです。」

様々な人に利用されている

――現在はどういった方々が利用されているのですか。

「今は500法人、5万人以上の方々にご導入いただいています。今のところは大企業がメインで、最近のトレンドはIT企業の方々です。最近、IT企業の平均年齢がだんだん上がってきていて、しかもITの方々は日常的に運動をする機会があまりありません。そこで、私たちのサービスを利用していただいています。

それから、工場勤務系の方々にも人気があります。工場勤務の方々は作業の反復が多いため疲れやすいという課題があります。また、工場は1か所に多くの従業員が集まっているので、こうしたサービスを導入しやすいという背景もあり、利用企業が増えています。

また企業だけでなく健康保険組合での事例もかなりあります。健保で元々やっている健康セミナーや研修は、どうしてもマンネリ化しがちで人が集まりにくくなってしまうようです。そこにRIZAPが来るとなると、やはりインパクトがあるのか、興味を持って人が集まってくるようです。

健康関連のイベント等に興味を持ってもらうきっかけとして始まることも多いですね。そして、セミナーに参加していただいた結果「内容が良かったので他の人にも勧めたい」と思っていただけることが多く、そこから導入が広がっています。」

――今後はどのような層を狙っていきたいとお考えですか。

「これからは自治体や、その地域に住んでいる方たちにも提供していきたいです。法人に関しては、中小企業も狙っていきたいですね。健康管理に人的資源を割けない企業に対して、アウトソーシーとしてアプローチしていきたいと考えています。」

――競合サービスとの差別化はどのように図っているのですか。

「私たちが一番こだわっているのは、プログラムを提供することではなく成果を出すことです。私たちは「必ず体重を落とせる」ノウハウを持っているので、結果にコミットできます。そして「RIZAPへ行けばダイエットができる」というイメージをすでにつくれているので、結果に対する信用度もあると思います。

ここが今までの健康支援サービスと異なるところです。なので、サービスに対してではなく、結果に対してお金をいただいています。」

「RIZAP=健康をサポートしてくれる会社」を目指す

ベンチャーや一般向けにも様々なサービスを展開

――サービスの規模が比較的大きいように感じますが、ベンチャー企業などでも利用できるものはあるのですか。

「実践型の健康セミナーはベンチャー企業の方にも使っていただきやすいサービスです。それから、zap DELI(ザップデリ)という低糖質高たんぱく宅配弁当サービスもおすすめです。オフィスの周辺で昼食を済ませようとすると、どうしても栄養バランスが悪くなってしまいますよね。そこでzap DELIでお昼だけでも健康にいいものを食べていただこうという取り組みをしています。

このランチだけでの利用もできますが、やはり運動なしでは健康にはなれません。健康や食事に関する知識も身につく健康プログラムをセットでご利用いただくことで、より効果の高い結果を得ることができます。」

――ファミリーマートさんと提携して販売されている商品も、これからも続けていくのですか。

「今後も展開させていただく予定です。ファミリーマートさんで販売している商品も、チョイスの一つになってほしいと思っています。この商品も含めて、「RIZAP=健康をサポートしてくれる企業」というイメージを定着させていきたいです。例えばコンビニで商品を選ぶ際にRIZAPのマークがあるから買う、などという風潮が広まれば嬉しいですね。

未だに、RIZAPに通っている方はダイエットに必死だと思われがちで、通うことを恥ずかしいと思う方がいるのも事実です。これからはそのイメージを打破していきたいですね。「ダイエットをするならRIZAP」というイメージはついてきたのですが、今後は「RIZAPに通うのが当たり前」と人々に思われるところまで持っていきたいです。

そのために日本人の2人に1人がRIZAPに関与している、というような状況を目指しています。一昔前は「スマートフォンはすぐに壊れる。ガラケーのほうが良い。」と言われていたのに、今では誰もがスマホを持っていますよね。そういうパラダイムシフトを起こしていきたいのです。

日本人は安心、安全、健康にお金をあまり使いません。若い方は特にそうですよね。「健診なんか受けなくても、どうせ何もないから大丈夫」と考えている方も多いでしょう。そういう人に対して、今のうちから準備しておけば後でもっと楽になりますよ、今の健康を維持するにはどうすべきか考えましょう、という風にアプローチをしたいです。

そこの一つのチョイスとして私たちが入っていけたら楽しいだろうと思っています。RIZAPが、英会話などと同じく、自己投資として認識されるようになるような未来をつくっていきたいです。」


RIZAPといえばダイエットのCMが印象的な会社ですが、これからは健康支援に乗り出していくようですね。
単に「健康」と言われてもどこか現実的でないように感じますが、自己実現のためという明確な目標があれば、健康の必要性が格段に分かりやすくなるように思います。

後編では、健康経営や「1000万人健康宣言」、さらにRIZAP様の今後の展望について伺います。

▼後編はこちら
1000万人を健康に!健康になれる環境をつくる、RIZAPの見据える働き方改革 【RIZAPインタビュー後編】

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この記事を書いた人:

鈴木まい

Paid学生インターン。趣味はミュージカル鑑賞です。家にスマートスピーカーを置くのが密かな夢です。

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