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人生100年時代における働き方とは?組織力・人材育成の観点から副業を考える【イベントレポート①】

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2018年9月21日、株式会社ベーシック主催のイベント「働きかた2.0 -組織力・人材育成の観点により副業のメリットと課題-」が開催されました。

今年6月に副業が解禁され、多様で柔軟な働き方が注目されています。しかし、副業にはメリットだけでなく課題もあります。企業の組織力・人材育成の観点から、それらの問題をどのように考えるべきなのでしょうか。

今回はそのイベントレポート第一弾として、株式会社ベーシック最高人事責任者である林宏昌様の登壇内容をご紹介します。

そもそもなぜ今働き方を変えないといけないのか。

人生100年時代に求められる個人と企業の変化

背景としてあるのが、まず一昨年にリンダ・グラットンが「ライフシフト」という本の中で提唱した人生100年時代です。今まで50歳まで働いていたのが70歳、75歳まで働くようになり、個人としての職業の寿命は50年近くになります。

一方で企業の寿命は短くなっています。海外の調査では今まで60年と言われていた企業の寿命は、現在20~25年ほど。個人としては50年働かないといけないのに、企業は20~25年でなくなってしまうというサイクルになっているのです。ということは、旧来の日本のように1社で勤め上げるのではなく、少なくとも2~3社変わっていかないといけない時代になっているといえます。

そうした時代において、個人と企業でそれぞれ必要な変化があります。個人としては複数以上の企業で働いていくのが前提になります。さらにAIの発展を鑑みると今後業務の内容は常に変化していくので、個人として学び直しや新しいことを学んでいくことが必要です。

一方で企業として必要な変化は、先進国と比べても生産性が低く労働時間が長い状況を変えることです。いかに生産性を高めていくか。そして、日本は今後人口が減っていき労働生産人口も減っていくなかで、一定の労働生産性を保つには、いかに出産、育児、介護と仕事を両立しやすい環境を会社として整えるかが重要になるのです。

価値観も多様化によりイノベーションが必要な時代に

昔であれば、「いつかはクラウン」に代表されるようにみんながクラウンに乗りたいと思っていた、みんなが同じ方向を向いていた時代でした。しかし今は20代男性でも全く違う考え方を持っている社会です。多様な価値観を持った人たちがいるマーケットに合わせて、多様な商品やサービスを開発しないといけません。つまり、1つの会社の考え方や価値観でマーケットを作っていくことが難しくなっているのです。

そのためには、イノベーションが起こりやすい環境を作っていかないと企業の存続は難しくなります。どうやってイノベーションを起こすのかという議論になると、シュンペーターが掲げる「新結合」以来あまり発展しておらず、違うもの同士がぶつかりあうなかで生まれてくるのがイノベーションだろうと言われています。

これからの働き方改革

これからは従業員が自分で働きかたを選ぶ時代なのは明白です。どこで働くのか、何時から何時まで働くのかといったことは、与えられたミッションに対して成果を高めていくなかでは、結果がすべてと考えるとそのプロセスはどうでもいいことなのです。

一方で、企業と事業の成長を加速するための「働き方改革」が求められています。とにかく残業を減らす、早く帰るということをやって、結局事業成長が遅くなってしまっては本末転倒です。もっと儲けるために働き方改革をするべきですし、それを前提に従業員が自分で自分の働きかたを選ぶのも必要になってくるのです。

新しい働き方として注目される“副業”。解禁のメリット・デメリット

副業を解禁するメリット

・優秀な人材を確保できる
従業員が副業をやりたいときと思ったときに、会社として完全に禁止されているとその会社を辞めて別の会社に移るしかありません。もし解禁していれば自社で自由に副業ができるので、優秀な人材をつなぎ留めておくことができます。

・イノベーションの創出につながる
外で新しい仕事をすると、新しいコミュニティやネットワーク、技術に触れることができます。そしてそれを社内に持ち帰ってきてくることで、新しい結合=イノベーションの可能性が広がります。

・従業員自身の成長
副業では通常の業務とは違い、自分でプロジェクトをマネジメントすることが求められます。そこで従業員自身が成長できることが期待されます。

・企業のブランディング
副業を解禁していることでオープンな会社である、従業員を尊重している会社であることをブランディングできるので、採用競争力が高まります。

・労働力不足の解消
副業を解禁することで、副業する人を受け入れる会社が増えています。リクルートでも週3日で働くような社員もいるそうです。そうした副業でかつ短時間でも働けるような環境ができると、自分で起業しているような優秀な人材で、週3日だけ、あるいは午前中だけであれば働ける、という人材を採用する機会が生まれるのです。

副業を解禁するデメリット

一方で特に大企業を中心に副業や兼業を禁止する理由として、リクルートキャリアの出典によると次のような点が挙げられます。
1つ目は、社員の長時間労働を助長しかねないという点で、過労の懸念があるという点。2つ目は情報漏洩のリスク。副業先で自分の会社の特許や知識を使って何かするのではないかという懸念です。そして3つ目が労働時間の管理・把握が困難という点です。

ここで勘違いされやすいのが、副業を解禁すると全員が副業するのではないかという点です。ただテレワークもそうですが、あくまで副業は働き方の選択肢の一つでしかありません。自分の体調が芳しくないと思ったら、これ以上の副業をやめるという選択をすればいいだけなので、解禁にあたってはその辺りを切り離して考える必要があるといえます。

まとめ

ベーシックでは正社員120人のうち20人が副業をしているそうです。人事の最高責任者である林様だけでなく、COOもCTOも全員副業していれば、入社2年目の若手社員も副業しているのです。
自分の中でセルフマネジメントをしながら副業に取り組むことが成長につながったり、さらに外での新しいコミュニティや技術が身についたり、副業には非常にポジティブな側面があります。これから、副業する人がどんどん増えていくのではないでしょうか。

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この記事を書いた人:

高澤夏紀

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

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