米国Edtechスタートアップ 「remind」って知ってますか?
最近Edtechというワードをよく耳にしますね。これはeducation×technologyの造語です。日本の教育業界ではあまり浸透していないですが、アメリカではこの業界でIT化が進んでいます。
今回は「remind」というシリコンバレー発のEdtech関連のスタートアップを紹介します。
米国の70%が導入するremindとは
https://www.remind.com/
remindは2011年に設立されたEdtechのスタートアップで、アメリカの学校の生徒、先生、保護者をつなぐコミュニケーションツールを提供しています。
アメリカの35万人以上の教育者に利用されていて、これはなんと公立の学校の70%以上です。生徒と保護者を含めたアクティブユーザーは2000万人以上にものぼります。
また、様々なVCから総額5950万ドルもの資金調達をしています。
主なサービス内容・仕組み
主なサービス内容としては、宿題や学習コンテンツの共有、学校行事の告知など「オンライン上の連絡網」です。また、チャット機能によって先生と生徒の保護者とのコミュニケーションを活発にし、子供の教育への参加を促すことができます。
仕組みとしては、まず先生がWebサイト上やモバイルのアプリ上で「クラス」を作成します。そして生徒や親はアカウントを作り、「クラス」に登録します。
「クラス」で、先生はチャットを送りますが、生徒や親は返信する必要はありません。
例えば、「今日は~についての歴史を学びました。」と先生が発信すると、クラスに登録している保護者全員にメッセージが届き、その情報を瞬時に確認できます。
remindのおかげで、保護者たちはリアルタイムで子供の学習状況を把握することができます。
また、先生から生徒に個人的に称賛の言葉なども送ることができるので、生徒の学習に対するモチベーション上昇にも貢献できます。
なぜ導入されているのか
なぜ、アメリカでここまでたくさんの学校で導入されているのでしょうか。その理由は大きく分けて5つあります。
1.簡単に使える
アカウントは1分程度ですぐに作れ、電話番号を入力するだけで「クラス」に入ることができます。
2.先生は、生徒・保護者と安全にコミュニケーションできる
チャットは特殊なメカニズムで保護されていて、情報漏洩のリスクが低いため安心して利用できます。
3.生徒と先生が密接につながることができる
例えば、生徒が「宿題を家に忘れた」ということはよく起こります。この問題はremindを使えば解決することができます。先生が生徒に事前にチャットを送ればよいのです。生徒は学校に行く前にそのメッセージを受け取ることができ、宿題を家に忘れなくなるでしょう。
4.無料で利用できる
チャットの送受信は無料で行うことができます。
5.先生や家族とのコミュニケーション増加により、生徒の学習意欲が高まる
ハーバード大学によると、生徒と先生・保護者の教室外でのコミュニケーションが増加することにより、宿題をやる生徒は40%増加し、授業参加率も15%増加するという研究結果が明らかになっています。Remindを使うことで先生と家族は簡単にコミュニケーションを取ることができるようになるので、生徒のやる気を高める効果が期待できます。
日本での導入は成功するか
日本では、動画教材などのICT活用を促進させる教育アプリなどは数多くありますが、先生と保護者を繋ぐツールはまだ発展していません。
しかし、remindは英語以外に70ヶ国語にも対応していますし、単に先生と生徒、保護者をつなぐコミュニケーションツールなので、比較的どこの国でも浸透しやすいのではないかと思います。
また、日本では生徒のスマートフォンの普及率が高く、アプリをインストールするだけでいいので、導入コストも低いのではないかと考えられます。
終わりに
IT化が遅い日本の教育現場では、今が参入するチャンスです。remindはまだまだ日本では認知されていませんが、今やアメリカでは当たり前のサービスです。日本でもこのようなサービスがいずれ当たり前になっていくのではないでしょうか。remindが日本に進出してくるのが先か、日本のスタートアップが同様のサービスを提供するのが先か、これから見ものですね。
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