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リモートワークを推進するベンチャーが取り入れた、ホラクラシー型経営とは?【前編】

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「ホラクラシー」という言葉をご存知でしょうか?言葉の定義としてまだ10年も経っていない考え方になりますが、AirbnbやZapposなどの米国先進企業が取り入れていることで注目を集めています。

日本でも数少ないホラクラシーという考え方を企業経営に取り入れた企業の一つが、「リモートワークを当たり前にする」をミッションに掲げている株式会社キャスターです。同社の代表取締役である中川祥太様にホラクラシーについて教えていただきました。

前編では、同社の創業経緯からホラクラシー型の経営を取り入れたきっかけについて紹介します。

人材確保と運用のバランスが課題

クラウドソーシングから見えた人手不足を解消する仕組み

―はじめに、中川様が起業した経緯をお聞かせください。

「前職はBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)会社で、主にWeb会社のバックにあるオペレーションを支えるための地方センターを建てる業務に携わっていました。人材リソースをたくさん抱える業態でコールセンターのような感じです。そこで4~5年くらい前になりますが、地方センターに人が集まらなくなってきたんですね。この地方だったらこれくらいの人口がいて、これぐらいの賃金を出せばこれくらいの人が集まる、という予想値を下回ってきました。人口は減っているし今後も減るだろうと予測されているし、これらを鑑みると今までやってこなかった集客手段をとらないといけないと考えるようになりました。

そこでちょうど注目を集めていたのもあって、「クラウドソーシング」を使っていこうと考えました。クラウドソーシングのプラットフォームを利用させていただく中で、優秀な人材を集めることができたのですが、構造上いかにマッチングを成立させるかが優先されますので、優秀な人材よりも安い金額でやりますよという人材が優先されてしまうことに課題を感じていました。

そんな中で、BPO業界を含む社会全体で人手不足、そのためアウトソーサーに対する発注率は増えているがアウトソーサー自体も人手不足、さらにクラウドソーシングのプラットフォーム側は人材を確保できているがうまく運用していく解決策がない、ということが見えてきて、じゃあ自分たちでその仕組みをつくろう!ということでCasterBiz(キャスタービズ)をつくりました。」

先進企業が取り入れるホラクラシーとは?

いわば放任主義をある程度体系化したマネジメント

CasterBiz(キャスタービズ)サービスページより

―CasterBiz(キャスタービズ)は秘書、人事、経理、Web運用に関する日々の様々な業務を、全国から募った優秀なリモートで働くアシスタントに依頼できるサービスですよね。リモートワークに関連したサービスを提供する御社がホラクラシーの考えを取り入れたきっかけはなんだったのですか?

「当社はリモートワークを当たり前にするというミッションで創業しています。当然社員もほぼ全員リモートワークで構成されています。ですので創業当時から比較的自由度は高めでしたが、何かしら体系化された考え方に基づいているわけではありませんでした。

CasterBiz(キャスタービズ)の運営に携わる社員は、お客様がいるので相手の業務時間、例えば9時から18時の勤務時間である必要があります。しかしそれ以外の職種の人たちは、その時間帯に出社する必要はないんです。しかも出社といってもリモートワークなので、PC上で勤務しますというだけで別に顔合わせるわけではないことから、マネジメントの難しさを感じていたところ、おそらく日本で一番ホラクラシー経営の情報を発信しているダイヤモンドメディアの武井さんの話を聞く機会がありました。

放任主義をある程度体系化した経営手法・考え方をホラクラシーと呼んでいて、じゃあそれを取り入れてみようと思ったわけです。また、マネージャー以外の役職を無くしてフラットな組織にすることで経営の意思決定権を組織全体に拡充し、事業スピードを速める狙いもありました。」

ヒエラルキーに対して外れている、分散型でトップダウンの傾向が弱いもの

株式会社キャスター 人事制度資料より

―どんな組織をホラクラシーと呼ぶのですか?

「ホラクラシーは言葉の定義としても10年も経っていないので、しっかり定義されているわけではありません。ただ、ヒエラルキーと呼ばれる組織形態に対して、そこから外れているもの、とくに分散型でトップダウンの傾向が弱いものを指すとされています。組織マネジメントの話でいうと、例えばミッションやビジョンを掲げて、みんながそれに共感している状態をできるだけ保ちながらひとつの目標に対して進んでいきましょう、というのはヒエラルキーのやり方です。ホラクラシー型の経営は、そうしたトップダウンの組織とは異なるマネジメント方法になります。」

前編はここまで

BPOをクラウドソーシング化した株式会社キャスター様。リモートワークを推進していて、全社員が同じ形態で働く必要がないからこそ、それぞれの裁量で仕事を進める、ホラクラシーという経営手法にいきついたのですね。

後編では、さらに具体的にホラクラシーとはどういった考え方に基づいているのか、また実際に同社が行なっている取り組みについて伺っていきます。

★後編はこちら

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この記事を書いた人:

川村亜衣

川村亜衣

2018年にラクーン入社予定。食べることが大好き。これまで感覚で物事を捉えがちでしたが、メディア運営を通して読者のみなさまにわかりやすい文章をお届けしていきます。

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