生産性アップのヒントが見つかるメディアVacks(バックス)

ベンチャー、中小企業の資金繰りの改善には「電子記録債権」を使ったFintechを!

B!はてブ

ベンチャー、中小企業の皆さんは資金繰りの問題を常に抱えていると思います。今回は、この資金繰りの問題を劇的に改善する、「電子記録債権」を使ったFintechのサービスをご紹介します。

ベンチャー、中小企業が抱える「資金繰り」問題

中小企業庁が毎年公表している中小企業白書によると、成長のための経営課題について、23.9%が「資金繰り」と回答しており、資金繰りは企業の成長において重要な課題になっていることが分かります。

資金繰りを解決する手段として資金調達がありますが、銀行からの融資や、VCからの出資といった方法は実績や信用が必要となり、どれも簡単ではありません。
したがって、手元にある資金でやりくりすることが多いと思いますが、従業員への給与や諸経費を支払いながら経営していくのは難しいものです。

また、納入・仕入を行っている企業は、商品を納入したときの売掛金回収に時間がかかり、すぐに現金が手元に戻ってこないので、一層資金繰りが厳しくなるという問題もあります。

「電子記録債権」とは

一般的な企業同士の取引は掛売りで行われ、売掛金は売掛債権や手形として保有していました。しかし、売掛債権には二重譲渡のリスクがあったり、手形においても作成・管理のコスト、さらに紛失・盗難のリスク等の問題がありました。加えて、売掛金は現金化するのに時間がかかるため、資金繰りを圧迫する一因となります。

電子記録債権は、これらの問題点を克服し、事業者の資金調達を円滑化するために生まれた新たな金銭債権です。単に手形・売掛債権を電子化したものではなく、電子記録債権の発生・譲渡を電子債権記録機関の記録原簿に電子記録することで、売掛債権を管理するコストの削減や、債権の流動化の改善といったメリットにつながっています。

電子記録債権を扱えるのは、「電子債権記録機関」という国から指定された5つの企業のみなので、取引の安全性が保たれています。その5つの企業の中には、3大メガバンクと全国銀行協会、そしてTranzax株式会社がベンチャー企業ながら選出されています。

Tranzax「サプライチェーン・ファイナンス」が資金繰りを解決する

サイトから引用


http://www.tranzax.co.jp/solution/sf/

電子記録債権を用いて資金調達の問題を解決する可能性のあるのが、Tranzax株式会社というベンチャー企業のサービス「サプライチェーン・ファイナンス」です。

信用力が高い大手企業から受け取った売掛金を、電子債権として早期に現金化する画期的なFintechサービスで、既に特許を取得しています。

サイトから引用

同社が、プライマリメーカー(発注企業・支払企業等=大手企業)との契約のもと、サプライヤー(納入企業・仕入企業=ベンチャー企業の皆さん)が持っている売掛債権(紙の手形)を電子記録債権化し、同社の設立したSPC(特別目的会社)へ譲渡することにより、支払期日前に資金化することができます。

大手企業の信用力をフルに活用し、通常1.475%のレートを、0.3%という大企業向けの低金利で借り入れができます。

現状は、売掛債権の手形を発行してから約70日後にようやく資金化できますが、同社が提供するこのサービスを利用すれば、最短で2営業日以内には資金化できます。

従来と比較して圧倒的な速さで資金化できるということがお分かりいただけるでしょう。

「POファイナンス」は受注時点での資金化を可能に

サイトから引用

http://www.tranzax.co.jp/solution/po/

また、サプライチェーン・ファイナンスとは少し異なる、「POファイナンス」というサービスも同社は提供しています。

電子記録債権を活用することで、従来は不可能だった受注時点からの担保融資を可能にするサービスです。

サプライチェーン・ファイナンスよりも早い、受注段階での資金調達が可能なので、納品までに時間も費用もかかるシステム開発のベンチャー企業や、建設業者に非常にニーズがありそうです。

同社は、ベンチャー、中小企業が停滞してきた原因は、「手元に資金がないので大きな案件を受注しても製造ができない」といったところにあると考えており、その現状を打破するために作られたサービスです。

不動産などの担保がないために、金融機関から融資を受けることができなかったベンチャー・中小企業も、POファイナンスを使って「発注そのもの」を担保にすることができれば、納品前の資金調達が可能となります。

Fintechが日本を変える

Tranzax株式会社が提供するこの2つのサービスは、まだ利用者が低いように見受けられます。
しかし、これらのサービスが普及していけば、日本のベンチャー、中小企業の資金繰りが大きく改善されることが期待できます。

特に、POファイナンスは製造前の段階での資金調達を可能にするので、相当な資金繰りの改善が見込めると思います。

これにより、ベンチャー、中小企業は躊躇せず大きな発注を受けることができ、事業の成長につながります。ベンチャー、中小企業が成長していけば日本全体の経済発展にも大きく貢献することでしょう。

これからの日本を変革し得るFintechに一層期待が持てますね。



※引用している画像につきまして使用上問題のある場合はご連絡いただければ削除など対応いたします。

B!はてブ

この記事を書いた人:

矢ヶ部優兵

Vacksインターンです。新しいテクノロジーに興味があります。70、80年代のハードロックが大好物です。

新着記事