【成長スタートアップに学ぶ】将来を見据えたサービスの差別化|Mealthyインタビュー後編

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前編では、株式会社Mealthy代表取締役 鈴木勝之様に起業の経緯や資金調達の方法、起業から現在に至るまでの苦労している点などをお伺いしました。後編では、健康管理サービス「Mealthy」のサービスの内容と今後の展開についてご紹介します。

★前編はこちら

サービスを差別化するポイント

消費者の行動変容を促す工夫

ーHealthTechとして注目されているMealthyのサービスについて教えてください。

「糖尿病予防にフォーカスした食事による健康管理のサービスです。世界的な社会課題である糖尿病は肥満と因果関係があって、肥満は食事による影響が9割だと言われています。日常の食事でそれだけ大きな社会課題が解決できるのではと考えて、今は糖尿病予防にフォーカスしています。ターゲットは食事が不規則になりがちな忙しいビジネスパーソンの方々です。家の外で食べる食事は気づかないうちに過剰にカロリーを摂取しがちなのですが、ちゃんとメニューをみるとヘルシーなものはたくさんあって、外食とかコンビニの食事でも健康になれますよ、と提案をしています。」

ー他にも健康管理のサービスはいくつかあると思いますが、Mealthyの特徴は何でしょうか。
「他のサービスは健康の定義を明確にしていないと考えています。漠然と走ったら健康になれますと言われても、走った結果結局何が健康なのだろうとなってしまいます。我々は健康を肥満解消と定義しているので、本人の体重や年齢、性別に合わせて、どれくらいの体重になりたいかによってちゃんとその人に合った太らないメニューがマッチングされるというのが特徴になっています。」

メニューベースでの検索が主流になったときのNo.1を目指す

「食べログのヘルシー版みたいなイメージで、外食の中でもヘルシーなものをアプリで検索できるようにしています。健康という観点ではお店が重要ではなく、結局、何を口にするかが重要です。一方で、食育を受けたことがない人からするとカロリーや栄養素だけ表示された候補がたくさん出てきてもどれを選んでいいか困ってしまいます。そこで、インプットとして食べた食事の写真を投稿すると栄養士があなたにはこれが足りていません、といったアドバイスをしてくれることで、行動変容が起きやすいようにしています。忙しい人でも肥満が解消できる食習慣を身に付けられるのがコアな部分ですね。

今は弊社で選んだお店を登録していますが、将来的にはユーザが選んだメニューや、飲食店が自ら登録してくれる形にしていきたいなと考えています。しかし、多くの方々が添加物などを含めた食の安全と健康を混合して、外食やコンビニ食ではダイエットできない、体に良くないと思いがちです。でもメニューベースでみたらコンビニにもダイエットできるものは無数にあるわけで、我々はまず外食にも痩せられるものがたくさんあるということを理解させる文化を作る必要があります。その文化ができて、Mealthyに登録すると集客ができるという期待感を持てると飲食店は自らメニューを登録してくれるはずです。今世の中には店舗ベースの食事検索がほとんどですが、将来的にはプラスアルファで自分の体に合うかどうかや、ライフスタイルに合うかどうかという選び方が出てくると思います。そうなるとメニューベースの検索が主流になるだろうというのが我々の予想で、そうなったときの食の検索ツールでNo.1となることを目指しています。」

ー他社サービスとの差別化も図れそうですね。
「メニューベースで健康的な食事の検索となると同じようなサービスはほとんどいないですね。ただ、ビジネス的にみると、弊社のように法人の従業員の健康増進を対象にしたサービスはいくつかあります。
そうしたサービスとのポジションの違いとしては、弊社は赤点状態の人を平均点に戻すサービスという点です。決して100点を目指すわけではなくて、忙しい人にとってもハードルが低くて、行動変容がしやすいようにしています。細かいところではダイエット法も各社それぞれでこういう食事をしなさいという考えがありますが、弊社は基本的にカロリーベースで必要な食事は人によって相対的に変わるというスタンスです。そういう意味でハードルを低く設定でき、会社周辺の食のデータベースを整備するので、通勤しながら周りにどんな食事があるのかも見えると結果的に行動しやすい、つまりコスパよく継続的に健康を実現できるというところが他のサービスとの差別化になっています。」

収益につながるターゲットへのアプローチ方法

まずは信頼度を高めて大企業へ展開する

ー先ほども少しお話していただきましたが、マネタイズの部分がこれからの課題になってくるのでしょうか。

「そうですね。マネタイズの部分はまだ模索しているのが現状です。現行どこに引き合いが多くなってきているかというと、健康保険組合が医療費を下げることを目的とする健康保険組合や病院での食事指導や、病院でITを使ってコンソーシアムを組むときに我々が食のサポートの部分で選んでもらうことも多くなっています。ヘルスケアの中でも、なんとなく痩せてかっこよくなりますという世界ではなく、よりメディカル寄りの部分で期待されている手応えはあります。そうした背景もあって、アプリの中では血液検査の結果も入れられるようにして、体重を定量的に変えること以外にも、血圧や血糖値の数値改善をターゲットにできるようにしています。

世の中のサービスは測るサービスは多いですが、測った数値を改善するソリューションサービスはあまりありません。我々は食事が変われば数字も変えられると思っているので、減量だけではなく血液検査の数字を変えるなど、よりメディカルに近い領域での事業展開を一生懸命模索しているところです。将来的にはフィットネスクラブなど健康に対する意識の高い人が多い施設との連携も考えられますし、健康になりたい、ならなきゃいけないユーザを抱える法人など、BtoBtoCのアプローチを考えています。事業上は20万人の法人ユーザの獲得を目標としているので、万単位で従業員がいる大企業も狙っていきたいですが、そのためには実績が必要です。健保さんや病院で使ってもらい本当の意味でのユーザの健康を実現することがブランディングにもつながるので、実績を作って信頼度を高めつつ一般企業や大手企業にも徐々に展開したいですね。」

熱意、チーム力、収益性が成功の鍵

ーでは、最後にこれから起業を考えている人にアドバイスをお願いします。

「起業する前の段階では、今からやろうとしていることがどれだけ好きなのかは自問自答した方がいいと思います。私もそうでしたが、月に1日休みがあるかどうかで、それを最低2年間続けても会社がつぶれるような世界です。なので、それができるくらい好きかどうかは重要です。何をやりたいのかであったり、どれだけ成功したいか、また自分だけで食っていけるレベルでいいのか、ちゃんと従業員を雇って会社として大きくしていくことを前提にしているのかなどにもよりますが、まず好きじゃないとやり遂げられないと思います。

それでも実際にやるってなったら、資本政策やチーム作りはちゃんと考えた方がいいです。友だち同士で立ち上げて、本当に勝てますかという部分ですね。ベンチャーとなると限られた資金の中で、何回打席に立てるかという世界です。そこで生き抜くためには、どれだけいいチームができるかが鍵になります。さらに事業の成長について言うと、事業を始めるときに誰から収益を上げるのかは早めに仮説を立てて検証した方がいいと思います。単に使ってくれるユーザとお金を払ってくれるお客様を明確に分けて、さらに言うと最終的に捉えたい本当のお客様が誰なのかは適切に考えないといけない部分です。

とはいえ、今は起業するコストはかなり低くなっています。なので、あれこれ考えずにまずは挑戦としてやってみるのもいいかもしれませんが、起業をして生きていくのはそこまで安易な道だとは思っていません。自身が人生の限られた時間をかけて10年は挑戦したいという想いが本当にあるかどうかがやはり重要だと思います。」


鈴木様、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。他社サービスとの差別化できるポイントが明確で、かつ将来の利用者の検索行動の変化を予想したうえでポジショニングを考えていらっしゃるところが印象的でした。
これから起業や事業成長を目指す皆様、ぜひ参考にしてみてください。

会社名
株式会社Mealthy
住所
東京都港区虎ノ門4-3-1
事業内容
スマートフォンアプリの開発・運営 ヘルスケアWEBメディアの運営
URL
https://mealthy.me/
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この記事を書いた人:

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

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