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【成長スタートアップに学ぶ】資金調達、マネタイズの考え方|Mealthyインタビュー前編

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最近注目を集めるクラウドファンディング型の資金調達で、4時間で3000万を調達したスタートアップがあります。ヘルスケア領域で食事による健康管理アプリ「Mealthy」を展開する株式会社Mealthyです。今回は株式会社Mealthy代表取締役 鈴木勝之様に、起業にあたって苦労した点やサービスの展開について、資金調達やマネタイズの観点から伺います。前編では、起業のきっかけや資金調達の経緯などをご紹介します。

ビジネススクールで考えたベンチャービジネスが起業のきっかけ

健康に関する不透明な部分をインターネットで解決したい

ーまず、起業した経緯を教えてください。
「Mealthyは2回目の起業で、2012年に1回目の起業をしたときはビジネススクールに行ったのがきっかけでした。もともとJR東日本で不動産開発に携わっていたのですが、建物を建てるにあたって初期コストを考えることはできても、じゃあこの場所にこの建物を建てたときにいくらで貸せて、投資計画として何年で回収できるのかといったことを考える部分が弱かったのでビジネススクールに行くことにしたんです。
そのスクールの中でベンチャー企業のビジネスプランを考える授業がありまして、2012年はちょうど震災のあとでこれから働き方が変わりそうだなというのがありました。ノマドワークなどが増えてきた時代ですね。これから家の外で働ける場所に対する需要が増えるのではないかということでコワーキングスペースの事業を考えて、実際にそれで起業したというのが最初の経緯です。

その事業をやっていたときに、集客目的でいろいろなゲストを呼んでイベントを開催していました。ちょうどパーソナルトレーナーや料理研究家など食のプロとも言える方々を呼ぶ機会があって毎週話をしてもらっていたのですが、専門家によって言うことが全然違ったんです。自分で聞いていても首尾一貫していないと感じましたし、異なる理由はそれぞれの健康に対する定義が違うからだと理解しました。これだと消費者にとっても食や健康に関してはインターネットで探しても答えがないことが多いのは当然だと思いました。一方で、日本には生活習慣病の人たちが2000万人いて、やはり目の前にあるものが体にいいのか悪いのかよく分からない、良いと思って食べていても病気になる、という人が多い現状を考えたときに、そこの部分をテクノロジーで解決できればビジネスにできるのではないかということで今のヘルスケア事業で2回目の起業をしました。」

ベンチャーキャピタリストからの出資は事例がないと難しい

ー起業にあたって多くの起業家が悩むのが資金調達の部分だと思いますが、どのような方法で調達してきたのですか?
「2回とも自己資金でした。ただ、自分1人だとお金がないのでどちらもビジネススクールで出会った友人と2人で共同出資して始めました。まずは最低限サービスができるレベルのものを作って世の中に出して、そこから成長するために資金調達をしていけばいいかなと考えていました。

Mealthyで起業してから最初の資金調達は2015年で、CSAJ (一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)が実施していた今で言うアクセラレータのようなプログラムに採択していただいて、300万円を出資していただきました。そのあと2016年はずっと融資を続けていましたが、開発をより加速させるために、先日クラウドファンディング型で資金調達ができる「FUNDINNO(ファンディーノ)」を使いました。最初はベンチャーキャピタリストから出資していただこうと思っていましたが、ヘルスケアの領域はこれまで成功したベンチャーが少ないこともあり、かなり調達が難しいというのが現状でした。でも年内には調達したいと思っていたときに、ちょうどファンディーノさんが募集を出せばすぐに決まるくらいの勢いだったこともあり、利用することにしました。10月の中旬に準備を始めて10月末に掲載をしたところ、4時間くらいで目標金額を達成して約3000万円を調達できました。」

マネタイズ、資金繰りが現状の課題

課金対象から金額設定までマネタイズでの悩みは多い

ー起業から現在に至る中で、資金調達以外ではどんなところで苦労されていますか?
「今の時点で言うと、誰に課金するのか、値付けの部分などを含めたマネタイズの部分です。今はBtoBで法人への課金をメインに考えていますが、あまり高い価格設定にして断られたらその会社とはもう縁がなくなるのではないかとか、じゃあ安くしたらいいのかというと今度は収益性がなくなってしまう。他にも最初は無料トライアルにしないとやってもらえないのではとか、でもその人たちは有料にしたら使ってもらえないのではないかとか、かなり悩ましいです。

コンシューマへの課金も考えたのですが、特に日本におけるヘルスケアの課題としてコンシューマが自分の健康に対してなかなかお金を払わないというのがあるんです。個人的には予防医療はある程度の年齢になったら投資しておいた方が費用対効果はいいと思うのですが、なかなか病気にならないと気付かないことが多いですし、病気になったら病院に行けばいいと考える傾向が強いです。なので結果的にコンシューマへの課金は諦めて法人中心にしています。」

資金をどう回して次の資金調達につなげるか


ー調達した資金はどのように使っていく予定ですか?
「まだ収益が上がってこないので、今回の資金調達は1年間の運転資金として主に人件費として利用する予定です。その辺の資金繰りという部分も苦労していますね。なるべく固定費は高くしたくないので、アプリ内で栄養士からアドバイスをもらえるサービスも栄養士の団体と連携してやっていますし、エンジニアの開発も業務委託中心でやっています。この開発を短期的でやりたいというときだけ単発で稼働量を増やしたいときもあるので、そこら辺の変動を飲みこめるように工夫しています。

栄養士さんの相談も写真に対してアドバイスするというのがペアになっているのですが、これから人工知能の時代になっていったときに、このペアが学習データになってきます。今は無料でやっていますが、将来のデータ作りの投資だと割り切って考えて、無料とはいえどんどんサポートしていこうという姿勢でいます。すでに何万データと溜まってきているので、今後人工知能化に少しずつつなげていけば将来的には栄養士の業務効率化にもつながります。そういった部分も含めて基本的に会社の成長にあたってはどんどん投資しない限りいいものにはならないと思っていますが、やはりいつまでも赤字では会社は存続しないですし、資金調達を滞りなくやるためにはちゃんと売上の見込みができないと次の資金調達も見えてこないので、結局は資金をどう回すかを常に考えているというところです。」

MBAでお金周りの知識を補完

ービジネススクールではMBAも取得されていますが、取っておいてよかったと思うことはありますか?
「もともとMBAを取得した経緯として、JRにいたときに建築専門の人がたくさんいる中で、自分にしかできないオリジナルの結果を出すために、建築士の人があまり持っていない資格を取ろうと思ったのがきっかけです。将来的には独立したいという思いはありましたが、独立するまでに1回転職した方がいいのか、いきなり起業した方がいいのかはそこまで明確ではなくて、たまたま授業の中で一緒にいたメンバーと起業しようということになりました。

取っておいてよかったと思うのはお金の部分で、例えばPL・BSといった経理面、企業価値のような財務面など銀行やベンチャーキャピタルと会話をする中で必要な知識が身に付いたところですね。建築だけをやっていたら足りなかった部分でしたし、お金周りの授業は全部取ろうと思っていました。実際ベンチャーにおいては資金繰りが会社の生き死に関わってくるので、常にケアしています。一方でマーケティングや戦略も学びますが、それはあまりベンチャーでは使わないと思います。MBAは基本的にリソースのある大企業などがそのリソースをどういう配分にするかといった
ところを前提にしているので、リソースのないベンチャーだとそこまでかっこいい戦略とかマーケティングはお金がなくてできません。実際にMBAを取得していなくて知識がなくても成功している人はいるので、起業にあたっては必須ではないけどあったらいいという感じではないでしょうか。」


前半はここまで。まずは自己資金で起業できたとしても、それ以降の資金調達では次の方法を考えないといけないですし、また次の資金調達を見込んでいるのであれば収益を上げていく必要があります。そのためには調達し資金を何に投資するのか、マネタイズをどうしていくのかなど、起業から事業の成長に至るまで解消すべき悩みはたくさんあります。鈴木様のように将来を見据えて答えを模索していくことが重要なのだろうと感じました。

後編では、Mealthyのサービスの概要と今後の展望などを伺っていきます。

★後編はこちら

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この記事を書いた人:

高澤夏紀

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

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