「CASH」と「メルカリNOW」の違いとは?特徴やビジネスモデルをご紹介!
DMMが「CASH」を運営する株式会社バンクを70億円で子会社化をし、話題になっている中、日本最大級のフリマアプリであるメルカリが新サービスである「メルカリNOW」をリリースしました。
CASHもメルカリNOWも同じ即時買い取りアプリですが、何が違うのでしょうか。今回は、CASHとメルカリNOWのそれぞれの特徴とビジネスモデルについて紹介します。
目次
最初は質屋アプリと言われていた「CASH」
そもそも質屋とは?
CASHは質屋アプリと言われる新しい概念のサービスです。しかし、質屋と言われてピンと来ない人も多いと思います。
質屋とは、お金を借りたい人に対して物を担保に一定期間お金を貸す店のことを言います。借りられる金額は、質屋が担保に対して見定めた価値によって決まります。
例えば、急な出費でお金が必要になったAさんが質屋でお金を借りるとします。質屋では担保が必要なので、Aさんは持っている時計を担保にすることにしました。
Aさんが質屋に時計を持っていくと、質屋は2万円の担保になると判断しました。
①Aさんは時計を質屋に預けることによって、2万円を借りることができます.
②Aさんが返済期限内に2万円と利息を質屋に返した場合、質屋も担保である時計をAさんに返します。
③ここでもしAさんが2万円を返さずにいた場合、質屋は担保であった時計の所有権を得ます。質屋は手に入れた時計を中古で販売するなど二次利用します。
質屋アプリと言われた初期のCASH
次に初期のCASHのサービスについて紹介します。
先ほどと同じようにAさんが時計を現金にしたいとします。
CASHのアプリで時計のブランドと種類を選択し、写真を送信します。CASHは写真などを見ずに、そのブランドの時計に決められた額である2万円を提示します。
2万円という査定額で問題がなければ、2万円が登録した口座に振り込まれます。その後、Aさんは時計をCASHに送ります。送られた時計の所有権はCASHに移動したため、中古販売などに二次利用されます。
質屋と同じように借りたお金を返して時計を取り返すという方法もあります。
その場合は、現金化した2万円とキャンセル手数料の15%を支払うことで、時計を手放すことなく手続きが完了します。質屋アプリとして注目されたCASHは2017年6月のサービス開始後、わずか16時間でサービス終了をしました。理由は買い取り過多です。というのもiOSのみの提供で、16時間で29万件DLされ、72万回の取引がされ、計3億6000万円以上現金化されました。
上記の通りCASHは質屋に似ているサービスですが、CASH自身は質屋アプリとは言っていません。実質質屋と同じ仕組みであるのにも関わらず、質屋と言わずに古物商としているため、新しい概念とは言え賛否両論でした。
サービス再開後で生まれ変わったCASH
その後8月24日にサービスを再開しました。サービス再開に伴い、お金を返すという制度が廃止になり、買い取り専門アプリとなっています。買い取り過多により、再度サービスが終了しないように1日当たりの全体の買い取り限度額が設定され、アイテムを送るまでの期間が短くなりました。
スマホがあれば、面倒な手続きなしに一瞬で持ち物が現金化できるという新しさが、サービス再開後も批判がありつつも注目されている理由だと考えられます。
サービス再開から約3か月後の11月にDMMが買収しました。
CASHの収益
当時のCASHは、買い取った商品の二次利用とキャッシュを返す人から得られる手数料(利息)を収益にしていました。
DMMがCASHを買収したのは、これまでの話題性と、買い取った商品をDMMのサービスであるレンタル業などで利用するためだと考えられます。お金を返すという制度が廃止になり、利子からの収益が無くなっても、DMMはレンタルなどの二次利用で利益を得られると考えているようです。
CASHの特徴まとめ
- 質屋に似ているアプリであった(当時)
- 本人確認などの審査なし
- スマホでアイテムを撮影して写真を送るだけで現金が手に入る
- 商品ごとの買い取り金額が決まっている
- 商品を送る前にお金が振り込まれる
- 引き出し時のみ、手数料がかかる(現在)
- 需要過多により全体の買い取り限度額が設定されている(現在)
あのメルカリが即時買い取りに「メルカリNOW」
CASHの後に生まれたアプリ
次にメルカリNOWの特徴とビジネスモデルについて紹介します。
メルカリNOWはCASHがDMMに買収されたすぐ後に提供開始されたサービスです。メルカリといえば圧倒的な認知度を持つ、4000万DLされている日本最大のフリマアプリです。
メルカリNOWも買い取り過多に
なおメルカリNOWは新しいアプリとして提供をしておらず、メルカリ内のアプリでメルカリNOWのタブを選択するだけで買い取りの画面に移行します。
メルカリは1日10万点以上の出品があるので、相当の需要が見込めます。大々的な宣伝をしなかったにもかかわらず、メルカリNOWはアクセス過多によりサーバーがダウンしたのはそれが理由でしょう。
売上金をメルカリ内で利用可能
メルカリNOWはCASHと同じく、アプリで商品のカテゴリーや商品名を設定し、写真を送るだけで、一瞬で査定額が出ます。CASHとの違いは売上金を口座に振り込む以外にも、メルカリ内での買い物に利用可能な点にあります。
また、買い取り金額はメルカリ内の取引を参考にしているため、より正確な買い取り金額を提示できるとしています。
メルカリNOWの収益
メルカリNOWの収益は、買い取った商品の二次利用のみです。手数料等もありません。買い取った商品は、メルカリの完全子会社であるソウゾウが販売します。
メルカリNOWの特徴まとめ
- メルカリのアプリ内で利用できる
- 本人確認あり
- スマホで撮影して写真を送るだけで現金が手に入る
- 売上金を即メルカリ内で利用可能
- メルカリ上での取引額を参考にしている
- 引き出し時のみ手数料がかかるが、1万円以上なら無料
- CASHと同じく1日の全体の買い取り限度額が設定されている
物に対する常識は変わるだろうか
質屋アプリと呼ばれる変わったサービスから生まれた即時買い取りサービスのCASHと、中古の商品をスマホでフリマに出すという新たな選択肢を提示したメルカリ。どちらも中古商品に対する常識を変えてきました。
これらの新しいサービスが、すべての持ち物に対する考え方を変えていくことになるかもしれませんね。
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