RPAとAIの違いとは?仕組みや事例を紹介【3分でわかる】
RPAやAIは業務効率化ツールとして注目を集めています。しかし、どちらも業務を自動化するという意味では似ている、同じだと感じる方も多いのではないのでしょうか。
そこで今回は、RPAとAIの違いについてご紹介します。
目次
RPAとは?
RPA(Robotic Process Automation:ロボティックプロセスオートメーション)とは、設定されたルールに従って、人間の代わりに業務を効率化するロボットシステムのことです。AIのように判断軸を持たないので、顧客情報の入力・更新といった定型業務で導入され、生産性向上を手助けする役割を持ちます。
RPAはルールに決められた業務を自動で行い、人が作業するよりもミスなく短時間で定型業務を完結できます。RPAによって定型業務が自動化されることで、創造的な仕事に注力できる環境が生まれます。
RPAについての詳しい説明は
RPAとは?効率化のポイント・事例も併せて紹介【簡単解説】をご確認ください。
AI(人工知能)とは?
AI(Artificial Intelligence:人工知能)とは、学習や記録、判断といった人間の脳でできることをコンピューターが行う技術のことです。
AIは自己学習機能を持つシステムなので、繰り返し学習することで識別能力が発達します。近年では開発力とともにAIの学習能力が高まっています。
今後はAIの活躍シーンがますます増え、私たちの生活や仕事に欠かせなくなるでしょう。
AIで業務を効率化!法人向けAIサービス5選では、実際に様々な企業で導入されているAIサービスを紹介しています。ぜひご覧ください。
RPAとAIの違い
RPAとAIは同じ、または似たものであるという印象を抱く方もいらっしゃるのではないのでしょうか。ここでは、RPAとAIの違いを簡単にご紹介します。
①価格帯の違い
RPAはAIに比べると安価で導入できます。RPAの中には無料で利用できる製品もあるため、費用を抑えて業務自動化できることもメリットです。
AIは高価な製品が多く、開発段階でも億単位の金額を必要とする場合があります。
②判断軸の有無
RPAは単純作業といった定型業務の自動化が中心です。
RPAはルールベースで業務を自動化します。人間により設定されたプロセスルールを守り、ひたすら作業を繰り返すだけです。そのため一定のルールに基づいた反復作業など、「定型業務の自動化」を可能にします。
一方でAIは学習するうちに記録していくため、自律した判断軸を持つようになります。過去の作業記録を積み重ねていくうちに精度が高まります。そのためAIは定型業務だけではなく、非定型業務も自動化することが可能です。
例えば、RPAは判断軸を持ち合わせていないので、場面に応じた画像解析や言語処理ができません。
一方でAIは自らが学習し、最適な判断ルールを構築していきます。データに基づいて予測や業務の識別ができるので、学習を繰り返していくうちに判断軸を持ち、画像解析や言語処理といった能力が高まるのです。
③求められる開発能力の違い
RPAであればプログラムを書かなくても簡単にロボットを作ることができるので、特別な知識を必要としません。というのも、RPAには既に定型業務を自動化する機能が組み込まれており、定型業務であればそれらを組み合わせるだけでロボットの構築が可能なのです。
AIは業務の内容を学習する必要があるので、取り扱いにはそれなりの能力が求められます。機械学習やディープラーニングに関する知識はもちろん、PythonなどのAI開発に適したプログラミング言語の利用や数学的知識が問われることもあり、ある程度プログラミング言語を理解している方でないと扱うのは難しいと言えます。
RPA・AI導入のメリット・デメリット
RPA・AI導入のメリット
①人件費削減 ②生産性向上 の2点があげられます。
①人件費削減
今まで時間がかかっていた単純作業をRPAによって自動化し、作業工数を削減できます。
②生産性向上
定型業務を自動化することで、創造的な業務に時間を割くことができます。単純作業やルーチン作業を人がやらなくても済むので、社員のモチベーション改善にもつながります。
RPA・AI導入のデメリット
重大な情報流出につながるリスクの存在が、デメリットとして挙げられます。
RPAやAIを導入した場合、社外秘の顧客行動がAIの機械学習によってデータとして組み込まれたり、企業情報などの機密情報をRPAのシステムに組み込んだりする場合も出てくるはずです。そのため、セキュリティが安定していない製品を導入すると企業情報の流出にもつながりかねません。
RPAやAIを導入する際は、セキュリティ体制が整った製品を慎重に選びましょう。
RPAとAIの両方を活用した事例
自治体でのAI・RPA活用【東京都港区】
一見、お堅い業務が多くて自動化されていないと思われる自治体ですが、AIやRPAなどの最新技術を用い、まちづくりを活性化している地域があります。
東京都港区では平成30年度を「港区AI元年」と称した情報化計画を実施し、RPAやAIなどを導入した区民サービスの向上と、働きやすい職場づくりの実現を目指しています。
2018年2月には、職員の勤怠管理や契約事務、サービス申請業務をRPAで自動化する仕組みを開発しました。
議事録作成や保育所入所の選考マッチングなどにはAIが活用されており、RPAと同様に区役所職員の業務効率化を支援しています。
さらに、区民向けに対する情報公開もICTを活用したものとなっています。区民向けのFacebookメッセンジャー機能(チャットサービス)では、税金関連の各種手続きや観光・生活に関する行政情報など、さまざまな問い合わせをAIが自動で回答しています。
英語と日本語に対応しているため、誰でも利用することが可能です。AIを導入したことで、区民はわざわざ役所を訪れる必要がなくなり、職員の負担も軽減されました。
このように東京都港区はRPAやAIを導入することで、業務時間の削減や区民サービス向上のための業務に時間を割けるようになったそうです。
引用元:https://www.city.minato.tokyo.jp/ictsuishintan/20181011.html
RPAとAIの組み合わせ事例
ここまでRPAとAIの違いをご紹介してきましたが、実はRPAとAIを組み合わせることで、さらに効果的な業務改善が可能になります。
NTTコミュニケーションズグループでは、同社が開発したRPAツール「WinActor」やAIチャットボット「COTOHA Virtual Assistant」を組み合わせることで、コンタクトセンターの応対から事務作業までの過程を自動化できる仕組みを提供しています。
同社はこのような仕組みを提供することで、サービス業や飲食業で働く人々が顧客満足度の向上に向けた「おもてなし」業務に注力可能な環境づくりを支援しています。
現在は人間が中心となっているコンタクトセンターですが、AIとRPAを使えば業務を自動化でき、時期や業務量の変動に応じた業務自動化が可能となるのではないのでしょうか。
引用先:https://www.ntt.com/about-us/press-releases/img/2018_1120.pdf
まとめ
RPAとAIは同じように見えて、システム構築や製品特徴の面でかなり異なることがわかりました。
RPAやAIによって経理業務や営業業務の自動化もできる時代です。今後も利用が増えていくでしょう。
RPAとAIの違いを理解し、状況に応じて使い分けることで、業務を効率化してみてはいかがでしょうか。
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