【株式会社パーソンリンクインタビュー】最先端テクノロジーで勝負するベンチャーに迫る、組織力を高める秘訣とは?
今日、IT業界では多くのベンチャー企業が生まれています。その中で、技術力で勝負するのは非常に大変なことです。
そこで今回は、代表自らがエンジニアとしての技術を身につけ、社員も9割がエンジニアであるベンチャー企業、株式会社パーソンリンクの代表取締役CEO 葛山 宏樹様に最先端テクノロジーで勝負する組織づくり、さらに組織力を高める秘訣をお伺いしました。
目次
高い技術力で成長する株式会社パーソンリンク葛山様にインタビュー
エンジニアの仕事をもっとクリエイティブにしたい
―会社立ち上げの経緯と事業内容について教えていただけますか。
「会社を立ち上げたのは2011年で、今年で7期目になります。独立のために2年間ベンチャー企業に勤め、エンジニア技術を身につけました。社員として働く中で、製造業というイメージが強いエンジニアの仕事をもっとクリエイティブにしたいという思いが芽生え、この思いを実現できる会社を作っていこうと決めました。
今展開している事業は、AdtechとIoTの分野に絞ったシステム開発をメインとしています。Adtech分野では広告主向けの広告運用効率化ツールとメディア向けの広告配信プラットフォームの2つを開発しており、IoT分野では家庭菜園キットの開発をしています。」
最先端テクノロジーで人々の悩みをサポート
―いくつかのサービスをリリース予定とのことですが、既にリリースされているものを含めて具体的にどのようなサービスなのでしょうか。
「Adtech分野では、『ADシェフ』という広告運用サービスを提供しています。FacebookとInstagramに特化した運用ツールで、ターゲットは広告代理店の運用担当者の方々と広告主企業の運用担当者の方々です。画像作成作業やオーディエンスを絞る作業、入稿作業といった重労働を私たちが代替し、実際に運用をしてユーザーと向き合う部分は依頼主の企業の方にやっていただくことで、ユーザーに合った広告を打てるようになる手助けをしたいという思いで作っています。
もう一つが『ADソムリエ』という配信プラットフォームサービスです。こちらはまだリリースしておらず、受託開発の一部です。ターゲティング広告を導入することが難しいという悩みを抱えている企業の方に向けて、自社で簡単に設定できるようになるプラットフォームを目指しています。
IoT分野は『hakoniwa』という家庭菜園キットを来年リリース予定です。このキットを使うことでスマートフォンから土中の水分量の管理ができるなど、IoTを楽しく使ってほしいという思いが込められています。専用のプランターとアプリをセットで販売する予定です。」
エンジニア文化とユニークな会社制度の共存が組織力を高める
回転の速いエンジニア文化
―会社の強みやサービスの強みは何でしょうか。
「会社の一番の強みは、技術力です。Adtech分野ではアップデートについていくために新機能開発のスピードを大切にしています。現在は、広告の文章や画像をAIが自動で提案してくれる機能を開発しています。
IoT分野はアプリ、ウェブ、デバイス、センサーを一元で作れるというところに技術力の強みがあります。より良い製品に作り上げるために試行/改善の回転のスピードを大切にしています。」
―組織文化を実現し続けるために採用で気を付けていることはありますか。
「社員の9割がエンジニアということもあり、組織文化としても技術を覚えてアウトプットするというサイクルを中心としたスピード感のあるエンジニア文化になっています。なので、そこに溶け込める人材を採用するようにしています。採用時の技術力はそこまで重視していません。中途よりも新卒を多く採用しているのも特徴だと思います。この方法を取り入れることで採用が上手くいっていると人材会社の方にはよく言っていただきます。
基本的に、技術を中心とした経営方針で動いています。その代わりに自社に足りないリソースは他社とのアライアンスを組むことが重要になると考えているため、アライアンス先は常に探しています。」
ゆとり世代ならではのユニークな制度
―会社の制度も非常にユニークなものが多いとお聞きしました。
「福利厚生に関しては新卒に喜ばれる制度が多いです。例えば、おしゃれをするときに使用できる『おしゃれ手当』や、旅行するときに使用できる『旅で仲を深めよう手当』ですね。
これら手当を作った背景にあるのは、システム開発にはコミュニケーションが必要であるという思いと、結果を出すためにはワークライフバランスを保つ必要があるという思いです。会社の中のコミュニティや私生活の充実を図った福利厚生を用意することで、社員間のコミュニケーションが活発になるように工夫しています。
特に『おしゃれ手当』はエンジニアはおしゃれに気を遣わないという悪いイメージがあると思っているので、そのようなイメージを払拭したいという狙いで作りました。さらに、手当を受けるには購入したアイテムを着た写真や髪を切ったあとの写真を社内のチャットツールに投稿し、社員から一定数のコメントがあることを条件にしています。そうすることで、社員のコミュニケーションを促進できるようにしています。
僕自身がゆとり世代の先駆けみたいな時代で育っていることもあり、『○○義務化』というのをやめています。勤務時間もコアタイムのない『スーパーフレックス制度』というものを設けていまして、結果主義という社訓の下、時間に縛られずに個々人が最大限の結果が出せるようにコントロールしてもらっています。
社内会議についても、ここ最近で社員数が倍になっていることもあり、やり方を見直しました。
独自の会議の掟というのを制定し、発言の仕方や進め方をルール化しました。そうすることで目的が明確になりましたし、話が議題から逸れることもなくなりました。1回あたりの時間を短くし、回数を増やすことで効率化を重視しています。」
―今後のサービスの展開を教えてください。
「Adtechの分野では市場ができあがっているので、提案する広告文や画像の精度の戦いです。そのためどれだけ早く最先端の技術をサービスに取り入れてデータを集められるかにかかっていると思っています。
IoTの分野ではいろいろなニーズのあるものを素早く作って、スピード重視で切り込んでいこうと思っています。IoT分野は一つ一つの技術は最先端ではないものの、幅広い知識が必要になってくる場合もあるので、幅広い知識を持った技術者を育てられるかどうかも鍵になってくると思います。」
緩急をつけた組織づくりが重要
葛山様、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
株式会社パーソンリンクは平均年齢26歳、社員数18人と非常に若い組織であり、現在組織の人数も大幅に増えているフェーズだとお聞きしました。しかしながら、高い技術力と結果主義を掲げる「急」のエンジニア文化と、社員のコミュニケーションやワークライフバランスを大切にした「緩」のユニークな福利厚生制度の共存によって組織の力を高めていることが分かりました。
これから組織の拡大を推し進めるフェーズにある経営者の皆様、本インタビューを是非参考にしてみてください。
- 会社名
- 株式会社パーソンリンク
- 住所
- 〒150-0044 東京都渋谷区円山町24-3 T.T.K.FLAT 3F
- 事業内容
- Webサイト・Webツール(アプリ等)の企画、構築、運用 Webサイトの運用サポート、最適化提案および実施 システム開発、運用保守 スマートフォンアプリ開発
- URL
- https://person-link.co.jp/