【注目のAIスタートアップをご紹介①】正答率95%を実現するAIチャットボット「Karakuri」
今、「AI」はどの業界でも注目されるキーワードになっています。今後、多くのAIスタートアップが誕生していくことは容易に想像できます。
しかし、日本におけるAIスタートアップの創業数、投資額は海外に比べるとそこまで多くないそうです。そんな現状を打破するため、ディップ株式会社は、AI・人工知能ベンチャーを支援する日本初のAI特化型アクセラレータープログラムを展開しています。
先日、そのAIアクセラレータ第3期採択企業のデモデイが開催されました。当日の発表内容をもとに、今注目のAIスタートアップを数回に分けてご紹介します。今回は、業界初となる正答率にコミットした総合AIチャットボット「Karakuri」を紹介します。
目次
カスタマーサポートの現場で使えるAIバーチャルオペレータ:Karakuri
総合AIチャットボット「Karakuri」とは
Karakuriは、AIチャットボット業界初となる成果にコミットしたチャットボットで、正答率95%を保証しています。カスタマーサポートの現場で、社内のチーム内で活用する社内FAQとして活用したり、顧客対応の自動化を実現することができます。
「今までにないカラクリで世の中を豊かに」を、ミッションに掲げるKarakuri。AIを使ったプロダクトを提供することで、今まで本当はやりたくなかったような面倒な業務をなくし、人間がもっと楽しく意義のある仕事ができるような世の中にしていくことを目指しています。その第一弾としてリリースされたのがこのチャットボットKarakuriです。
「Karakuri」誕生の背景
代表の和田志門氏は、イー・ガーディアン株式会社というカスタマーサポートのBPO会社を立ち上げから14年間経験し、コールセンターやカスタマーサポートの現場に携わった経歴があります。そこで感じた課題の一つが、人がすぐに辞めてしまうこと。現状、入社した月に辞めてしまうコールセンターのオペレータの割合は50%にもなるそうです。
辞めてしまう理由として大きいのが、単純作業が非常に多いことです。全体の実に80%はマニュアル通りに応えるようなシンプルな内容で、それが1日8時間繰り返されるのです。そうした単純作業が多いことからも、コールセンター業界ではAIの導入が非常に盛り上がっています。
しかし、実際は現場からはAI導入に対する疑念はたくさんあがっているといいます。その代表的なものが、AIが変な回答をして自分たちの仕事が増えるのではないか、という点です。
そこでカラクリは業界で初めて「正しく答える」ことを保証するサービスを立ち上げました。世の中にたくさんチャットボットのAIは誕生していますが、その中でもカラクリは成果にコミットし、“正答率95%保証”を実現しています。実際にトレーニングしたAIに100問質問して95問以上正答してはじめてデビューできるのだそうです。これは、人でいうと「ベテランほどではないが中堅は超えるレベル」なのだとか。
なぜ“正答率95%”を実現できるのか
では、なぜ高い正答率を実現できるのでしょうか。理由は2つあるといいます。
1つ目が代表をはじめとするメンバーのほとんどがコールセンターの経験が長く、顧客対応の業務設計に強みをもっているという点です。
今、お客様対応の方法は電話だけでなく、メールやLINE、チャットなどさまざまです。こういう問い合わせならAIで応えられる、その他の問い合わせはAI以外のテクノロジーを使うべきであるというような、全体を俯瞰したうえでの業務設計ができるのが大きいと和田氏は説明しています。
またデータの処理方法についても、他社だととりあえず大量のデータを覚えさせて精度を上げていこうとするのに対し、カラクリではAIが理解しやすい質と量のデータを整えてトレーニングとチューニングをするという点でも違いがあります。
そして2つ目がコールセンターのログに特化した深層学習のアルゴリズムを自社開発しているという点です。他社は日本語の対応らしくなるような自然言語にAIをそのまま流用していますが、カラクリではコールセンターのログにしっかりフォーカスしているそうです。そこだけで正答率は10ポイント近く差が出ます。また、エンジニアも全員AIに精通しているのも強みです。
実際にKarakuriを導入している現場では、平均して98%の正答率をたたき出しているそうです。
カスタマーサポートにAIを導入するメリット
AI導入の大きなメリットの一つが、研修時間の短縮です。人の場合だと、一人前に対応できるようになるまでにかなりの時間がかかってしまいますが、AIだとそれがなんと“3日”で完了します。もちろん1度教えるだけで完璧に覚えるので、同じことを何回も教える必要はありません。
そしてもちろんコスト面でもメリットがあります。カスタマーサポート業務をアウトソーシングに出すと、電話1本800円、メール1本400円くらいが相場です。それに対しAIでは、1対応が20円くらいで済みます。
カラクリの料金は、ボットが活躍して人の対応が減ったその効率の部分に対して決まるそうで、基本的に損することはないと和田氏は強調しています。
今のところ導入されているのは10社強で、月10社ずつくらい増えていく予定とのことですが、実際に提供してみると業界ごとに学習データの共通化が可能ということが分かったそうです。
これを使うと、例えばECだとどんなものが多いのか、メールのお問い合わせだとどんな内容が多いのかといったことをあらかじめ学習したモデルを作ることができます。このモデルをより安いプランとして提供する可能性も示唆しています。
まとめ
いかがでしたか。
AIで正答率95%というのは、非常にインパクトのある数字です。一言にAIといっても、これからはそのAIの質や目的による差別化が求められるようになりそうです。
次回は、AGREEが提供するドクターシェアリングプラットホーム「LEBER」をご紹介します。
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