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20代による若手スタートアップ「アイカサ」に秘められた熱い思いに迫る!【後編】

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前編では、傘のシェアリングサービス「アイカサ」の代表取締役である丸川 照司氏と共同経営者の黒須 健氏(以下敬称略)に、起業された経緯やサービスの魅力について紹介しました。

前編はこちら
20代若手スタートアップによるシェアリングビジネス「アイカサ」の秘話に迫る!前編

後編ではシェアリングエコノミーの魅力や、アイカサの展望について伺います。

今の時代におけるシェアリングエコノミーの可能性

今話題のシェアリングエコノミー

―ご自身もミニマリストとお話にありましたが、「シェアリングエコノミー」の魅力について教えてください。

丸川「昔は持っていることがかっこいい時代でしたが、今はモノ消費からコト消費に変わっていて、体験などを重視する時代です。シェアリングエコノミーはその表れだと僕は考えています。体験を通じて変えていく、それぞれの生き方をより尊重することができるサービスがシェアリングエコノミーの特徴かなと思います。」

黒須「あとは、効率的なサービスですね。ここから先、高いお金を払える人が確実に減ってくると思います。そうなったときに、安くモノを手に入れて余ったお金を使って、モノを稼働させるというのは理想的なカタチで、それを実現できるのがシェアリングエコノミーかなと考えます。」

買うのではなく、借りるインフラを生み出したい。

―アイカサのサービスの展望を教えてください。

黒須「5月から本リリースして、7月にはIoTを始めていこうと思っています。ビジョンとしては山手線など、東京都内の利用者の多い駅にアイカサが置かれて、好きな駅で借りることができて、好きな駅で返すことができるようなサービスを目指しています。

また、雨の日のネガティブなイメージを変えていくために、雨の日が楽しくなるような仕掛けがしたいと考えています。傘をレンタルすることで、アプリから美容院や、カフェのクーポンが届くなど、雨の日だからこそ楽しめるようなアイカサ限定のクーポンを提供したり、アイカサ限定の体験をしてもらえるようにすることが目標の一つです。

丸川「今後は、旅行者をターゲットにした展開も考えています。これから日本に来られる方がたくさん増えてくるなかで、滞在中に雨が降ったときのニーズがあります。ホテルも傘の貸し出しの管理が面倒で課題になっているそうです。街中で旅行者に『買ったビニール傘はどうするんですか?』と尋ねたところ、『ビニール傘は邪魔だからどこかに置いていく』という声が断トツで多いんですよね。」

黒須「また、このアイカサを日本発祥のシェアリングビジネスにしていきたいと考えています。これまで生まれているサービスは、海外から仕掛けられていることが多いので。日本は世界で第2位の降水確率なので、その日本から傘のシェアリングビジネスを広げていきたいです。

今年間1億3000万本売られている傘のうちで、8割強がビニール傘で、ひと雨降れば数万本売れています。敵は大きいですが頑張りたいです。」

照司「アイカサの事業を表すときに、よくインフラという単語を使うんですが、アイカサというサービスを新しいインフラの1つにしていきたいと思っています。人々の生活において、傘を買うよりも借りることがメジャーになっていく。アイカサで傘を借りるのが当たり前というようなサービスにしていきたいです。

いつかは『昔、東京では一雨が降るたびにビニール傘を買っていたんだって』『東京では10万本のビニール傘が売られていたんだよ』と話題になるような未来にしたいと思っています」

新しいインフラを生み出す会社「アイカサ」

―これから会社、組織としてどのように大きくしていこうと考えていますか?

丸川「イノベーションを起こせるような企業になりたいと考えています。そのためには、あるべき姿を追いかけて、当たり前のことに疑問を持ち続けるマインドを共通に持つことを大事にしていきたいです」

黒須「傘はあくまでも手段の一つででしかないので、その他の部分でも多くの人にとって不便なのが当たり前になっていることも改善していきたいですね」

挑戦と失敗の繰り返しから成功パターンが見つかる

起業の経験から学んだこと~

―最後に、これから起業を考えている方にアドバイスをお願いします。

丸川「とりあえず、やってみてください。ありきたりですが、やっぱりこれが一番です。私はビジネスを始めるにあたって、大学も中退しましたが不安は特にありませんでした。決断という行為は、何かを断って、決めてこそ行動できることだと思うので。」

黒須「僕は、自分の一番得意なところに全力を費やしていくといいと思います。自分の得意なところは人生の成功体験が活きてきます。起業して、成功させたいなら自分のことを知ることが何よりも大事です。僕も自分を知るなかでで、一人では起業できないと分かっていたので、誰かと組む方が得策だということで庄司と起業しました。

もし10回挑戦して8回失敗しても、その成功した2回に全力を費やすべきではないでしょうか。今は失敗しない人が多いですが、失敗してもいいからとりあえずやってみることも重ですね。チャレンジしないと見えないことがたくさんありますし、チャレンジすることで苦手なことも見えてきます。

失敗と成功を繰り返していくと、自分のなかの成功パターン、勝利の法則を見つけることができます。それが見つからないままにビジネスを始めると、失敗したときの傷口が大きくなります。失敗は道半ばなので、次に活かしていけばいいだけです。」

まとめ

丸川様、黒須様、貴重なお話ありがとうございました。
「当たり前になっているけど、これは不便だよね?」という、お2人の日頃の小さな疑問から生まれた、アイカサというサービス。このインタビューを通して、日頃の小さな疑問が新しいビジネスに繋がっていき、どこか遠く感じていた起業というワードを身近に感じることができました。

アイカサは、常に物事に対して疑問をもつ姿勢、その想いに共感してくれる人々、そして失敗を恐れないチャレンジ精神。この3つを兼ね備えていたからこそ、企業の一歩を踏み出すことができたのではないでしょうか。そして、ついに2018年5月のプレリリースで、本格的にサービスが動き始めました。これからの活躍に期待で胸が膨らみます。

ベンチャーの経営者の皆様、そしてこれから起業を悩んでいる皆様、是非彼らの力溢れる姿を参考にしてみてはいかがでしょうか。

会社名
株式会社Nature Innovation Group
住所
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-26-16 第五叶ビル 5F
事業内容
傘のシェアリングサービス「アイカサ」の運営
URL
https://i-kasa.com/
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この記事を書いた人:

山ノ内 綾乃

BtoB事業のサービス営業に魅力を感じています。本屋で書棚を眺めながら癒されています。

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