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目標管理「OKR」とは?運用ポイントや導入効果は?【OKR導入コンサルティング企業タバネルインタビュー】

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「OKR」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
Googleやメルカリが導入していることで少しずつ注目が高まっている、目標管理の仕組みです。今回は、OKRの導入を通して中小企業のコンサルティングを行う株式会社タバネル代表取締役 奥田和広様に、OKRの運用ポイントや導入効果について、さらに中小企業が組織づくりで気を付けるべきポイントを伺います。

中小企業の活性化を目指して起業

OKRを通して組織づくりを支援

ーまず、貴社で展開されている事業内容について教えてください。
「事業としては企業のマネジメントコンサルタントを行っています。その主な方法がOKRの導入支援です。組織の規模が大きくなるにつれて組織がなかなかうまく回らなかったり、会社の成長スピードと組織の成長スピードが合わなかったりといった問題が発生します。よく従業員が10人、30人、50人、100人になるタイミングで成長の壁があると言われていますが、そこで組織をどうやって作っていくかというところを具体的にお手伝いしています。」

倒産を経験して起業を決意

ーそもそも起業しようと思ったのはどんなきっかけがあったのですか?

「私の父が1975年から百貨店向けのアパレル卸の会社を経営していたのですが、子供のころから私が会社を継ぐだろうと考えていました。そこで大学を卒業してまずアパレル大手のワールドに就職し、さらに経営の勉強をすべくコンサルタント会社への転職を経て父の会社に戻りました。

その頃は業績が落ち込んでいたこともあり、余力があるうちに新しい事業をやろうということでアクセサリーの小売り事業を始めました。8年ほどで42店舗170人ほどをマネジメントするまでになりましたが、無理な拡大を急ぎすぎたのと、既存の卸事業が大幅に落ち込んでいたこともあって東日本大震災の後に倒産という結果になりました。

倒産という経験についての恐怖は抱えつつも、自分の中でもう一度経営に挑戦したいという思いがあったのと、やはり中小企業が倒産すると経営者だけでなく従業員も取引先も大変な思いをするので、そういうことを少しでも減らしたいと漠然と思うようになりました。そこで自分で中小企業のお手伝いができる仕事をしようと思って起業しました。」

ーそこで立ち上げられたのがタバネルですね。このタバネルという社名にはどんな思いがこめられているのでしょうか。

「組織とは本来は同じ目的、同じ方向に進んでいくものであるべきなのに、なかなかそういう風にはならないですよね。組織内で揉めたり、ちょっとずつみんなが違う方向を向いてしまったりすると、個々には頑張っているのに業績は伸びていきません。そこを組織の力を束ねてみんなで目的に向かって前に進んでいけるような組織と作っていきたいという想いを込めて「タバネル」にしました。特に中小企業は組織つくりができていないことが多いので、その支援ができれば中小企業を活性化する、という自分がやりたいと思っていたことにつながると思っています。」

中小、ベンチャー企業の成長スピードを上げる「OKR」

そもそもOKRとは

ー今導入支援をされている「OKR」とはどんな仕組みなのでしょうか。
「先ほども言ったように組織は共通の目的に向かって全員で力を合わせて仕事をするのが大前提ですが、なかなか難しいのが現状です。特に人数が増えて組織が大きくなると、目の前の与えられた課題や数値目標ばかりを追うようになり、部分最適が起こってしまいます。そうではなくて常日頃から目的を見ながら目標も追いかける状態を作らなければなりません。

OKR(Object&Key Result)はまさにその仕組みです。私は「目的と重要な結果指標」と訳していますが、つまりは目的と目標を一緒に見て進める目標管理指標のことです。通常の目標管理がボーナスや査定に使われることが多いのに対し、OKRは組織全体で目的を達成するために使われます。」

ーなるほど。人事評価とは全く違う評価指標なのですね。

「はい、大きく3つの違いがあります。まず人事評価では高い目標を立てて低い達成率だと評価されないので抑え気味な目標を立てがちですが、OKRの場合は野心的、挑戦的な目標を立てることが大事であり、人事評価とは分けて考えます。組織としてこういうことを達成したい、今期このチームはこういうことをしたい、という目的を見すえたうえで目標を立てることが重要です。

次に人事評価は上司と部下だけで目標を管理しますが、OKRでは全社に公開する透明性が特徴です。全社で誰がどういう目標を持っていてどんな状況になっているのかを共有します。自分の仕事が全社の向かう方向とずれていないかを確認できるので方向性を間違えないようになっています。

最後がフィードバックのタイミングです。人事評価では1年間の目標を立てて半期に1回程度フィードバックすることが多いですが、OKRの場合は3か月に1回OKRを設定して毎週もしくは2週間に1回ほどの高頻度でフィードバックします。なのでスピード感も違います。高い目標を立てたうえで、社員全員がそれを見すえて高スピードで動いていくということが特徴です。」

ーGoogleで導入されて注目されたと伺いましたが、日本でも導入している企業は多いのでしょうか。
「日本ではまだあまり普及していませんが、有名な企業だとメルカリさんが導入していますね。特に今までの先行きが見える時代であれば上司が目標をしっかり立てて、部下が計画通りに実行すれば成長につながっていました。ただ今は先行きが見えにくい時代です。そもそもしっかりした目標の立てようがないので、目標を早く立てて実行してそれを改善したり学習したりということが必要です。そのためには上が作ったものをただ部下に落とすだけでなく、任された側が自発的に改善点を考えられる組織でないと今後の時代の変化についていけないわけです。そういった理由で急成長を目指すベンチャー企業には特に向いていると思います。」

OKRの効果と導入ポイント

ー具体的にどんな効果が出るのでしょうか。

OKRセミナーの様子

「まず従業員のエンゲージメントがすぐに上がります。目的がしっかり見えていますし、自分が会社とつながっていることを意識できるからです。導入時のポイントでもありますが、経営陣とメンバーが一緒にOKRを作っていくという過程を踏むことが必要で、そうすることで上から指示されたことをやるだけなのとは大きく差が出ます。しかも高頻度でフィードバックをするので上司と話す機会も増えてエンゲージメントの向上につながります。」

ー導入時に気を付けるべきことがあれば教えてください。
「重要な目的に集中することです。OKRの数を多くても3~5個くらいにすること。ベンチャー企業の経営者や従業員は新しいものが好きな人が多いのでついつい目移りするかもしれませんが、あれもこれもとやると全部中途半端になったり手を付けやすいものだけに着手してしまうことになるので、最優先事項を決めた方がみんなの集中力も上がります。」

個々の力を同じ方向に向かせることがスピーディーな成長につながる

ベンチャー企業が目指す組織とは

ー最後にベンチャー企業が組織づくりをするなかで重要なポイントについて教えてください。
「まずは先ほども説明しましたがベンチャー企業は大企業と比べて経営資源が圧倒的に少ないので、重要な目的に集中することが重要です。人やカネといった資源は少ないですが、唯一大企業と同じなのが時間です。なので組織のスピードを上げる必要があります。そのためには組織のメンバー全員が同じ目標に向かっていること、必ず共通の目的が共有されていることが大事です。

あとは個人が何を期待されて何を求められているのかを理解できているかということです。自分が何を目標としているかがわからないと、達成感もやりがいもありません。例えば私は一番最初の会社では服の勉強がしたかったのになぜ経理に配属なのかと思っていましたが、上司から目的を与えられて仕事をしていくなかで達成感、やりがいが出てくるようになりました。従業員が自分の目標が何なのかをしっかり理解しているかどうかは意識すべきです。

また、組織と個人の方向性を合わせることも重要です。
随分前にテレビで、身長180cm体重100kg以上のムキムキのプロレスラーと身長150cm前後で体重も50kgほどの女性の綱引き日本一のチームが綱引きの対戦をしていました。どちらが勝つかというと女性の小柄な人たちが勝つんです。

多くの会社で“人”が大事だといって人材教育や研修に力を入れていますが、やっていることは結局先ほどのプロレスラーと同じかもしれません。みんな個人個人で努力をして筋力をつけて成長しているように見えますが、実は組織の力として束ねられていない。力がなくて小柄でも同じ方向に同じタイミングで引いたら組織の力は最大化するため勝つことができます。

よくベンチャー、中小企業だからいい人材が来ないと言っている会社がありますが、本当にそこが問題なのでしょうか。もちろん大企業で給料が高い方が人は集まりやすいですが、中小企業でも今いる人材でできることはまだまだあります。少しでもそのお手伝いができればと思っています。」


奥田様、貴重なお話をありがとうございました。
「OKR」を導入することによって、経営資源の少ない中小企業でもスピーディーに成長することができます。従業員が5人を超えたら組織づくりを強化した方がいいという奥田様。貴社も今後の成長を考えて、早いタイミングでOKRを導入してみてはいかがでしょうか。

会社名
株式会社タバネル
住所
大阪府大阪市北区本庄西2-7-7 誠和ビル4F
事業内容
コンサルティング事業、セミナー事業、ソフトウエア関連事業
URL
https://tabanel-japan.com/
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この記事を書いた人:

高澤夏紀

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

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