AI×フィットネス!業界の常識を覆す最新パーソナルトレーニングとは【エクササイズコーチインタビュー】
今や、最新サービスにAI(人工知能)が活用されていることは珍しくなくなってきました。そしてついにフィットネス業界にもAIが導入され始めています。
この「AI×フィットネス」で最新のパーソナルトレーニングを実現するフィットネスジムがシカゴ発の「エクササイズコーチ」です。今回は、エクササイズコーチを展開するエクササイズコーチジャパン株式会社の代表取締役社長 椿本 健太様にお話を伺いました。
エクササイズコーチの特徴や効果、さらにフィットネス業界に対する想いなどをご紹介します。
目次
エクササイズコーチでパーソナルトレーニングに新業態を作る
起業後女性専用ジムを立ち上げ
ーまず、起業されたきっかけを教えてください。
「22歳の時にベンチャーリンクというフランチャイズの本部に特化したコンサルティング会社に入社して、事業開発部門で業態開発などに携わっていました。そこで頑張って初年度に個人でMVP、2年目にはチームでMVPを受賞したのですが、そうすると社内でやることがあまりなくなってきてしまったんです。
そこでちょうど幹部候補生プロジェクトというのができたので参加して、ベンチャーリンクの幹部になるか独立するかを選ぶことにしました。そのときに同期や先輩が出資するから独立しないか、と背中を押してくれたので24歳で独立して150店舗ほどのフランチャイズのコンサルティングをしました。そして26歳のときにエクササイズコーチの前身となるリボーンマイセルフという女性専門のジムを立ち上げました。
その1年後にライザップさんが同様の事業を始められて大規模な販促で業界ができたこともあり、我々もその恩恵を受けて業績が伸びていきました。そして50店舗ほどになったタイミグで次の展開としてエクササイズコーチをアメリカから輸入し日本で展開しています。」
従来のトレーニングの課題を解決したい
ー新たな展開としてエクササイズコーチを選択されたのはなぜですか?
「リボーンマイセルフを展開しているときに、事業自体は順調に伸びていて市場自体も確実に拡大しているなかでいくつかの疑問を抱くようになりました。まず料金が非常に高いですし、トレーニングが非常にハードです。さらに時間も1セッションあたり60分でシャワーの時間を入れると1時間半近くかかります。そういった理由からトレーニングを受けられる人が非常に限られているなと。
一方でパーソナルトレーニングというアプローチは非常に有効です。従来のフィットネスジムには目的に対して出口を導いてくれるというものがありませんでしたが、パーソナルトレーニングは自分の目的に合わせてプログラムを組んでくれて、なおかつ達成するまで付き合ってくれるというところで非常に価値があります。
このマーケットを広げていくにはどうしたらいいのか。トレーニング時間を短くし、トレーナーの技術や感覚に左右されないトレーニングができて、さらに物理的に料金を下げられるような新しい業態ができないかと模索していました。そしてイギリスやオーストラリア、アメリカといったフィットネスが日本より進んでいる国の業界を調べつくして、エクササイズコーチに出会ったんです。これは自分が考えている次のパーソナルトレーニングに非常に近い素晴らしいフィットネスだと思い、シカゴに行って契約をしました。」
短時間、低料金を実現するエクササイズコーチとは
AIでその人に合った最適なトレーニングを提案
ー具体的には従来のパーソナルトレーニングと比べたときに、どんな特徴があるのでしょうか。
「既存のパーソナルトレーニングの課題を解決する業態で、具体的には短時間、マシン主導型、低価格、予約や持ち物も一切不要、というのが大きな特徴です。特にマシン主導型というところではAIを導入しているのが大きな違いです。
先ほどもお伝えした通り従来のパーソナルトレーニングに限らず大手のフィットネスジムは、どうしてもトレーナーの感覚や経験でどのくらい力を入れたらいいのかを決めています。それに対して我々のアプローチは、まずマシンの中にその人の筋力や筋肉の可動域などの情報をインプットすることで、AIがその人に最適な負荷を提案してくれるというものです。
そうすることでトレーニングが生産的になるのでトレーニング時間の短縮にもつながります。さらにケガのリスクも圧倒的に下がります。感覚に頼ってしまうと十分な効果が出なかったり、無理な力を要求されてオーバーワークになったりするケースもあります。そうならないためには適切な負荷が非常に重要です。
実際にトレーニング自体の時間は約1/3、料金は1/4に短縮できます。短時間でしかも低価格ですが、従来のパーソナルトレーニングと同等の効果が出るというのが大きな特徴です。」
若い女性から高齢者までターゲットを拡大予定
ー今後はどのような展開を考えられていますか?
「まずは今存在しているダイエット市場の中でイノベーションを起こしていくことがファーストステップだと考えています。具体的には5年で100店舗のスピード、規模を目標にしています。
このファーストステップで狙っていくのは20~30代のダイエット需要ですが、我々のようなAIを使ったトレーニングはケガのリスクが低いという点で40~60代の高齢者に対しても非常に有効なアプローチができます。なのでその後は高齢者向けの展開、あるいは地方都市への出店を目指していくつもりです。特にフランチャイズというシステムを使って積極的に展開していきたいと思っています。」
フィットネス業界は人材と業態に課題
ー最後に、トレーニング業界をどのように変えていきたいとお考えでしょうか。
「僕はトレーニング業界に関してもフィットネス業界に関しても素人ですが、やはり外から見ていて思うのは非常に遅れているということです。まずトレーナーの雇用に関してです。現状だとアルバイトや業務委託が主流になっていますから、しっかり正社員として雇用してトレーナーの雇用条件を上げるべきだと思います。加えてトレーナーの価値をしっかり上げて、業界全体で優秀な人材を獲得できる環境が必要ではないでしょうか。
そしてもう一つはお客様に提供している価値が可視化されていないというところです。利用者は何気なくフィットネスジムにきて何気なくランニングマシンで走っていますが、それがどれだけご自身の目標に近づいているのか、そもそもそれが正しい手法なのか、というところがまったく見えていません。このあたりをテクノロジーと融合させることで可視化して、より目的を意識したアプローチをすることは今の時代当然必要になってきます。
この人材と業態開発の2つの面で他業界から比べると遅れていると感じています。こうした違和感を我々が改善していきたいと考えています。」
椿本様、貴重なお話をありがとうございました。
ダイエットのためにジムに通いたいと思ってもなかなか時間がとれなかったり、パーソナルトレーナーをつけるには料金的なハードルが高かったり、多くの人がトレーニングに対して躊躇しているのが現状ではないでしょうか。
そんな課題をAIで解決するエクササイズコーチ。さらに広まっていけば、トレーニングに対する敷居が低くなることは間違いありません。筆者も一度体験に行ってみようと思います。
- 会社名
- エクササイズコーチジャパン株式会社
- 住所
- 大阪府大阪市中央区南船場4-12-22 心斎橋東栄ビル6階
- 事業内容
- パーソナルトレーニングジム「エクササイズコーチ」の直営店及び
- URL
- https://exercisecoach.co.jp/