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テレワークができる環境を提供することで働き方改革を浸透させたい【ブイキューブ インタビュー前編】

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働き方改革の一環として、テレワークの導入が注目されています。ですが実際に活用できている企業は、まだ少ないのが現状です。

そこで今回は、テレワークをより活発にしようと取り組んでいる株式会社ブイキューブ代表取締役CEO 間下直晃様にお話をお伺いしました。

前編では、起業の経緯やテレビ会議システムを中心とした事業展開についてご紹介します。

多用な働き方を実現するブイキューブ

自社でのニーズから事業化へ

―起業の経緯を教えてください。
「学生時代の1998年に会社を設立しました。当時はインターネットが発達しておらず、まだHTML1.0の時代でした。そこで普通のアルバイトの代わりに何かできることがないかなと思い、独学で20ページくらいのWebサイトを作ったところ、20万円を頂くことができました。もちろん自分でやったことに対してお金をいただける嬉しさを実感したのですが、実はお客様にとってもいいことだったんです。

というのも、このくらいの規模のサイトを作る相場は、当時の市場価格だと200万円くらいでした。それに対して我々は、お客様からすると非常に安い価格で、レベルも差がないものができるわけです。そこで紹介して欲しいというお客様が増えてきて、それに合わせて従業員も増やさないといけないということで、会社にしたのが経緯です。」

もともとWeb制作の会社だったところから、「V-CUBEミーティング」などのテレビ会議システムの提供にシフトしていった転機は何だったのでしょうか?
「テレビ会議システムを作ろうと思ったのは、アメリカへの参入がきっかけです。
Web制作から次第に携帯アプリの開発事業を手掛けるようになり、アメリカの市場に参入することにしました。しかしそこで一番の問題だったのが、コミュニケーションです。出張で現地に行くといってもきりがないですし、かといってテレビ会議のツールを購入しようと思っても高くて購入できませんでした。

であれば、自社で開発すればいいのではないか、ということで作ったのが今提供しているサービスの原型となるものです。そして社内で使っていきながら進化させていくうち、他社にも売れるのではないかと。そこでマーケティングをしてみるとマーケットもあったので、2004年から本格的に販売するようになりました。

特に2006年以降は大手企業の金融機関を中心に売れていきましたが、特に広まったと感じたのは2008年のリーマンショックがきっかけです。そこから出張経費を削減しようとする企業が増えたのに伴い、問い合わせが増加しました。

そして、現場の出張経費削減ということはベースにありながら、マネジメント層に対しては、出張していても取締役会のような重要な会議にテレビ会議で参加できるというメリットもあります。

さらには、これを使いこなすことでオフィスに縛られず、どこにいても仕事ができるようになります。つまり、場所の概念が減ることによって本人の都合に合わせて働き方を選べる。これがまさに働き方改革で言われている自由度の高い働き方を実現できる、という大きな効果です。」

どこでも働ける安心感の提供

―テレビ会議ツールだけでなく、「テレキューブ」というテレワークをする場所を提供するサービスも展開されていますが、このサービスを始めたのはなぜですか。
「テレキューブを作ったのは、テレワークをする場所がなく、テレワーク難民が多いという課題を解決するためです。

社内で会議室が空いていない場合や、出先でもカフェやラウンジにいる場合は、なかなかテレビ会議や電話会議をすることは難しいです。そこで個室で快適なコミュニケーションが取れる環境を作ろうと考えました。

テレキューブであれば、防音のプライベートな空間でテレビ会議に参加することができるので、秘匿性の高いコミュニケーションを活発化させることができます。我々はソフトウェアを使った遠隔コミュニケーションツールの提供を事業軸としていますが、それ以外にこうした場所の提供も含めてやっていかないと、実際に働き方改革が社会に浸透しないと思っています。

企業向け販売は2017年12月より開始し、企業に限らずそういう環境をいろいろなところに広げていきたいということで、2018年11月からは駅構内や駅近くの公共施設へ設置する実証実験も始めました。

2019年2月までの3か月間はJR東日本と実証実験を行い、東京駅、品川駅、新宿駅に設置しました。無料ということもありますが、非常に多くの方にご利用いただき、埋まっていて使えないという声が多数上がるくらい評判は良かったです。使った方のアンケートを見ても好評だったこともあり、2019年7月からは首都圏を中心に本格展開していく予定です。」

日本の働き方や社会課題解決への取り組みとは?

日本ならではの働き方の実現へ

―他にも競合サービスはあると思いますが、差別化できる貴社の強みは何ですか。
「ずばり日本に特化していることです。競合他社はアメリカに本社がある外資系の企業が多く、それらの企業に特徴として言えるのが国ごとに対応できていないという弱みです。アメリカのテレビ会議の仕組みをそのまま販売していますが、日本の働き方や組織の構造、メンタリティなどの部分はアメリカのそれとは全く異なりますから、単純に導入できない会社も多いわけです。我々は地場にいるという強みを生かし、日本のニーズに合った仕組みが作れます。

また、個人情報やプライバシーの問題もあります。外資系企業に企業情報を預けてしまうということは、つまり国外に情報を出すことになるので、そうした議論も出てきてしまいます。その点、国産ツールであれば心配がありません。」

ビジュアルコミュニケーションを介した課題解決実現

―企業のリモートワークやテレビ会議という目的以外でも、貴社のシステムが利用されているケースはありますか。
「今は働き方改革の推進という面が目玉となっていますが、様々な業界でも利用されています。消費者向けのサービスでは、オンライン診療や遠隔授業で使われるケースも増えてきています。特区で認められているものでは、薬局に行かなくてもテレビ電話などの遠隔ツールで服薬指導を受けられる仕組みの導入も始まっています。

他には不動産の契約でも、ブイキューブのテレビ会議システムが導入されています。これまでは不動産契約をするときに、宅建免許を見せながら重要事項の説明をしなければなりませんでした。しかし法律が変わって面前義務がなくなり、テレビ会議での説明でも可能となりました。そのインフラとして弊社のシステムが導入されています。」


前編はここまで。
テレワークをする場所を提供することで、テレワークの課題解決に貢献していることがわかりました。
また課題解決だけではなく、駅構内での展開からテレワークを身近な存在にさせる役割を果たしていると感じました。
後編では、日本のテレワークの在り方を考えていきます。

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この記事を書いた人:

稲葉真世

稲葉真世

Paid学生インターン。趣味は映画鑑賞と音楽鑑賞です。地域活性化や人々の居場所づくりに関心があります。

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