リモートサービスでテレワークを支援。オフィス外でも快適に働ける環境を目指す!【RSUPPORT 前編】
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を利用した、場所や時間を有効活用できる柔軟な働き方のことです。日本におけるテレワーク導入率は13.3%(総務省「平成28年通信利用動向調査」より)と非常に低く、なかなか導入が進んでいないのが現状です。
そこで今回は、テレワークにも活用できるリモートソリューションを提供するRSUPPORT株式会社の代表取締役社長 徐滎秀(Hyungsu Seo)様にお話を伺いました。
前編では会社設立の経緯やリモートソリューションの概要、世界のテレワーク市場の現状についてご紹介します。
目次
RSUPPORT設立について
世界的に誇れる技術力でリモートサービスの課題を解決
ー社長ご自身の経歴と創業のきっかけを教えてください。
「もともとはソフトウェアのプログラマーです。韓国のHAURIという会社で、アンチウイルスのソフト「ViRobot」を開発していました。ウイルスに感染した人は早く解決してほしいと考えますが、そういったニーズに対していち早く正確に対応するのが仕事でした。
そこでは、お客様へのサポートをするときに「リモートサポート」が非常に重要だったのです。そしてこれからの時代、リモートサポートで何かビジネスシステムを作れば成功するのではないかと考え、2001年11月にRSUPPORT株式会社を設立しました。
当時はBtoBビジネスでリモートアクセスをするということ自体が珍しかったので、そうしたサービスはありませんでした。BtoBですので、企業にとっては社外の人間がリモートで接続してくるのではないかというセキュリティ上の懸念もありましたし、企業にとって大事なのは安心・安全です。そういった面においてファイヤーウォールの設定も企業ごとに行っているので、当時はリモートサービスの実現は容易ではなかったのです。
しかしRSUPPORTはエンジニアの観点でこうした企業の心配事を解消することができたため成功につながったと思っています。当時クラウドサービスがいくつかあった中でも、リーズナブルなリモートサービスビジネスは弊社が初めてでした。」
誇れる技術力がパートナーとの出会いに
ーそこからすぐに日本にも進出していますが、その理由を教えてください。
「もともとIT企業でグローバルに活躍する企業は多くあります。私自身、韓国で創業した当時から日本のビジネスに興味があったこともあり、距離的に近いが世界市場でもある日本で競争してみたいという目標を立てていました。そこで2002年に創業直後、日本市場へチャレンジしました。そして、日本のBtoB市場ではパートナー販売が主になってくるので、まずは協力できるパートナーさんを探し始めました。」
ーパートナーはどうやって見つけているのですか。
「東京ビッグサイトや幕張メッセで開催される展示会に出展して、そこで出会うケースがほとんどです。どれだけの完成度の高い製品かどうかを気にする目が肥えている会社も多いので、技術力あっての出会いや関係というのも多いです。」
テレワークサービスの成功へのつなぎ役
リモートソリューションでスムーズなテレワークを
ーテレワークの導入時、重要だと思うことを教えてください。
「社員はテレワークで働く側ですが、会社はそれを管理する側になります。社員にとっては会社にいなくても便利に働けることが大切です。一方で会社にとっては社員の生産性が上がることを求めています。そのためにはツールの動作が鈍く仕事にならないということが起きないように、適格にサポートしなければなりません。
社員の利便性と会社の安全性。この2面でも、当社はご満足をいただいております。
テレワークでは家であれ外であれ、どこにいても会社で働いているのと同じように不自由なく働けることが大事になってきます。自宅や外出先で作業中、システムのエラーや利用のサポート問題が発生しても、リモートサポートで素早い対応やサポートができます。」
ー具体的に貴社が提供されているリモートサポートサービスの概要について教えてください。
「メインで提供しているのは、「RemoteCall」というツールです。お客様のパソコンやモバイルに遠隔で接続し、リアルタイムで問題を把握、解決できるというサービスです。
もともとは、ヘルプデスク運営を効率化するために提供しましたが、先ほど弊社の歩みで説明した通り、根底にあるのはリモートコントロール技術です。これは、昨今働き方改革の影響もあって、テレワークが進む中で注目されている技術でもあります。
日本においても、既にRSUPPORTの技術が活かされていると思うところがあります。現在日本の三大キャリアで一番大きいのがNTTドコモですが、そのNTTドコモが販売する携帯電話に搭載されている「あんしん遠隔サポート」というサービスに使われているのが、当社の技術です。
有料にもかかわらず2000万ものユーザー数を突破しました。ドコモに問い合わせられるあらゆる困り事にたいして、「あんしん遠隔サポート」でリモートサポートをしています。加入者の満足度はほぼ100%であるという統計が出ています。」
日本のテレワーク市場について
ー日本でもテレワークは進んでいますが、どういった特徴があるとお考えでしょうか?
「テレワークをいち早く導入したのは西洋諸国だと思います。西洋と東洋と分けてみると、西洋には仕事が中心だからテレワークをするという概念があります。しかし東洋には制度を作り、制度を基盤にした綿密なテレワークをするというのが特徴です。
つまり、西洋では企業が自主的に生産性をアップさせるためにテレワークを導入し、最終的に結果が出ればよいというスタンスです。しかし日本では結果も大事ですが、政府が主導となって、東京オリンピックや高齢化、介護問題などの国を挙げた根本的な問題解決のための手段として、テレワークを導入しようとしています。要するに政府と企業とが合意をしてテレワークをしていこうという政策への姿勢が西洋とは異なります。
私の目から見た日本は、日本政府が働き方改革を進め、企業はそれに合意し国に従っているというイメージです。ある意味日本のテレワーク市場は、どの国よりも急激に速いスピードで出来上がっていると思います。
それにやはり西洋でのテレワークは、今まで会社ごとのやり方でやってきたので、それなりに失敗の過程がありましたが、日本のテレワークは、失敗なしに誕生したテレワークであるという点でも大きな違いがありますね。
このように、国をあげてのマネジメントという意味でテレワークが普及している日本においては、結果だけでなく過程を重視するという特徴を踏まえたうえで、これからどういうテレワーク市場を作るかが重要になってきます。そこでITの補助金制度やIT導入を補助する技術が様々な企業で徐々に出始めているのではないでしょうか。」
今回はここまでです。
次回は同社が持つ圧倒的な技術力と、テレワーク市場での今後の展望についてご紹介します。