市場規模11兆円!IoTの概要と商品例、ベンチャーの参入分野とは【前編】
第4次産業革命が起きつつある現在、経済産業省によると、IoTやAIの世界の経済価値は現在の日本経済(4,1兆ドル)の4倍の規模になるとの試算があります。また、IDC(市場調査会社)によると国内のIoT市場は2021年まで年間平均17%で成長し、市場規模は11兆円に達すると予測されています。そのためAppleやGoogle、NEC等の大企業が参入し、最近ではKDDIがIoTのための通信サービスを提供している、ベンチャー企業のソラコムを買収したニュースが話題になりました。
こんなにも世の中を騒がせるIoTとはいったい何なのか、ベンチャー企業はどのように参入しているのかを紹介したいと思います。
モノがインターネットで動く世界
そもそもIoTって?
最近テレビやインターネット等で、IoTという言葉をよく聞きますが、そもそもIoTとはどういう意味なのでしょうか。
IoTは、Internet of Thingsの略で「モノのインターネット」と訳されます。世の中のありとあらゆるモノがインターネットに接続されて、情報を発信または受信することによって、そのモノの利便性を高めるものです。どんな場所でもインターネットに接続でき、コンピューターが使えるというユビキタスネットワーク、ユビキタスコンピューティングの発展型と言えます。
インターネットに接続されたモノは、主に下記のような働きをします。
- センサーやスケジュールされたタイミングでモノが情報を取得する
- インターネットを経由してクラウドにデータを蓄積する
- クラウドに蓄積されたデータを分析する。必要であれば人工知能が使われる
- 分析結果に応じてモノがリアクションをとる(人にフィードバックする)
(東洋経済参考)
つまり、人がモノに対して能動的にアクションを起こさずとも、これまでに蓄積されたデータを使って、モノが自動的にリアクションを起こすということがIoTの本質になります。モノがただインターネットに繋がれていて、スマートフォンを使って遠隔でモノを遠隔で操作することは、狭義の意味でのIoTとは言えません。
IoTはどうして注目されているのか
IoTの具体例をあげると、
- 人がドアを開けたタイミングでドアにつけられたセンサーが反応し、温度計が室温を測定
- 室温や外気温度のデータ等をインターネット経由でクラウドに蓄積
- 蓄積されたデータと測定したデータを分析し、人にとって室温が適切なものか判断する
- 判断の結果に応じてエアコンや扇風機等の電源をつける
などがあります。
この例に出てきたモノは全てインターネットに繋がっていて、察知からリアクションまで自動化されているため、IoTが実現したと言えます。
現在になってIoTが注目されてきている理由としては、クラウド、通信、センシング、機械学習やディープラーニングの技術が発展し、コンピューターの小型化や導入が簡易化されたこと、さらに誰もが高性能なスマートフォンを持っているためでしょう。このように、すでにIoTを導入する地盤は出来上がっているため、IoTに対応した新製品や関連するサービスを各社開発、発表しており、最近話題に上がることが多いのです。
以上、前編ではIoTとは何かについて紹介しましたが、後編ではベンチャー企業の開発したIoTデバイスや、IoT市場への参入について紹介したいと思います。
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