生産性アップのヒントが見つかるメディアVacks(バックス)

「合意形成」に必要なスキルとは?経営でも重要な合意形成力|なりきりマネジメント協会【後編】

B!はてブ

今回は、交渉において必要な「合意形成」の研修事業を展開する、日本なりきりマネジメント協会代表理事 鷹尾 豪様へのインタビュー後編です。

前編では、「合意形成」の概念についてご紹介しました。

前編はこちら
営業や交渉に必要な「合意形成」とは?ビジネスで勝つための手段|なりきりマネジメント協会【前編】

後編では、実際に合意形成に必要なスキルや経営における合意形成の重要性についてご紹介します。

営業でも経営でも活用できる合意形成力

合意形成に必要なスキルとは


ー研修では、合意形成士という資格も取れるとのことでしたが、実際に合意形成力を構成するのはどのようなスキルですか?
「交渉を体系化するなかで、合意形成力に必要な6つのスキルを定義しました。その6つのスキルがないとYESをもらうことはできません。

まず相手からの尊敬を得るのに必要なのが、「マウントスキル」と「リーディングスキル」です。マウントスキルは相手から信じてもらうスキルで、リーディングスキルは主導権を獲得するスキルを指します。先ほどもお話しした通り、人は正しいことを言っている人ではなく、自分より上だと思っている人の言うことしか聞けません。つまり合意には相手からの尊敬がいるのです。営業で、顧客ニーズを正しく把握して、ぴったりな提案をしているのに、成約に至らなかった経験はないでしょうか?これは、顧客に自分より上だと思われていないことが原因です。

そして人間関係ですので、尊敬と同じように「好意」を得るということが合意形成には必要です。嫌いな人というのは必ず相手に伝わってしまいます。心理学的にも人間は論理的に物事を決めずに、実に心理的、衝動的に物事を決めており、その理由を論理的に後付けしているということが証明されています。やはり心理的に好意を持たれないと始まりません。その好意を得るためのスキルが、「アナリティカルスキル」と「グリップスキル」です。
商談相手に好意をもった営業は成約率が高くなります。

アナリティカルスキルでは相手が何を欲しいのか、相手がどういうところに関心を持っているのかを分析をするための質問術が核となります。そしてグリップスキルは端的に言うと「褒め方」です。お世辞は、数を撃つほど関係悪化を招きます。相手が自分自身を評価しているポイントを特定し褒めることで、心をつかむスキルです。営業が顧客の心を掴んだときには、失注するはずがないという感覚的自信を持てるでしょう。また、グリップが強ければ、たいていのことはリレーションで乗り切れるようになります。

そして最後に、合意相手からの意欲を引き出すことが必要です。相手に合意していこうという意欲を持ってもらわなければいけません。というのも、交渉では決めに行った方が負けるとされています。ですので、営業のクロージングでも契約が欲しいからといって決めにいったら負けてしまいます。そこで必要なのが、「アジャストスキル」と「クロージングスキル」です。

アジャストスキルは相手とベクトルを合わせるスキルです。例えば、営業はより高く売りたい、顧客はより安く買いたいというのが基本構造です。この枠組みでは、営業が何を一生懸命伝えようとしても、顧客には高く売りたいがための行為にしか見えません。そのため営業には、高く売りたいとは思っていないという演技が必要不可欠になります。つまり利害が衝突していると合意は得られないのです。そのベクトルを合わせるのがアジャストスキルです。

そしてクロージングスキルは、決めに行くのではなく相手に決めてもらうスキルです。人間は心理学的に自分で決めたことでないと動けないと言われており、相手に決められたことだと主体性を持てません。そこで、あえて合意相手に「決めてもらう」という体にする必要があるのです。営業は、成約確度を知るために、顧客にさまざまな確認をしています。ここに選択肢を加え、たくみに心理誘導して相手が決めた体をとる、というわけです。」

企業の持続拡大には社内の合意形成も必要


ーこうした合意形成力は営業以外にも使える場面があると思います。特に中小企業やベンチャー企業ではどのように活用できますか?
「企業が30人以上の会社にしていこうというときに、非常に事業モデルは優れているがエンゲージメントが低いとか、あるいはベンチャーは皆が冒険しているのでばらばらになりやすい、といったことが起きやすくなります。ですので、何のためにやっているのかという合意形成がマネージャー、ミドルを含めてきちんとできていないと、会社組織は大きくなりません。

ビジネスモデルが非常に良くてマネジメントに依存しないで一気に成長する場合もありますが、逆にその方が危ないと思います。ずっとベンチャーでいるならいいですが、いずれ50年、100年企業を目指すのが企業の宿命です。そうなると、長く続く会社、持続的拡大をする事業を考える必要があり、そうなると事業モデルをイノベイティブに改革していくというのは一方でありながら、もう一つの領域に社内の合意形成がどれだけできているかという部分が大きくものをいいます。

また、「交渉経営」という考え方も重要です。「代替案」を経営に使うことをお勧めしているのですが、代替案がなければ劣位に追い込まれるのは必然です。例えば営業で1社の売上が会社全体の売上の半分を占めているとなったら、そこの会社を落とすと会社の業績は一気に悪くなります。しかし、その50%の売上に対する代替案を会社が持っていれば経営は強くなるのです。

最悪の事態を想定しながら動くというのが経営だと思うので、そういう意味では代替案をしっかり用意しながら経営を進めるという考え方をすべきでしょう。特にベンチャー企業でありがちなのは、売上No.1の営業マンで会社が支えられているという状況。今は辞めないかもしれませんが、仮に辞めるとなった場合の代替案を持っているかどうかが会社の力になります。そういう切り口で経営を考えると、事前に準備できることはたくさんありますよね。そういう切り口でも会社をもっと強くできるということは啓蒙していきたいと思います。」

今後の展望とは

「合意形成力=人材の市場価値を測るインフラ」を目指す

ー最後に、今後の展望を教えてください。
「一つは今、営業職の方々に案内をしていますが、やはり営業が楽しいと思ってもらえるような、人気職種にできるようなことをやっていきたいです。そしてもう一つは転職が当たり前の時代になっているので、協会として合意形成力を市場価値を測るインフラのような形にできたら、社会貢献になるのではないかと考えています。

そして1年後ぐらいにはBtoCにも事業を展開したいですね。そして合意形成士という資格認定をもっと広めていけたらと思います。人間関係で悩んでいる人も多いですし、主導権を取れずに悩んでいる人も多いので、そういう人に合意形成力をつけることで無駄に傷付くことなくいたり、成果をの出す方法し方があることを知ってもらいたいと思っています。」


いかがでしたか。
合意形成というのは営業や経営を強くするうえで、非常に重要なスキルです。これを身に付けることでさまざまな場面で交渉を有利に進めることができると思います。しかし、鷲尾様も仰っているように「わかる」と「できる」には雲泥の差があります。ぜひ同協会の実践型研修でスキルを取得してみてはどうでしょうか。

会社名
一般社団法人日本なりきりマネジメント協会
住所
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満2-6-8 堂島ビルヂング9F
事業内容
1. 合意形成能力判定事業
2. 合意形成の研修・教育事業
3. 合意形成の習得及び普及向上に繋がる研究及び事業に対する助成事業
4. その他、目的を達成するために必要な事業
URL
http://narikiri.or.jp/
B!はてブ

この記事を書いた人:

高澤夏紀

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

新着記事