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ベンチャー経営者を経てスタートアップにジョイン。その目的とは?【WARCインタビュー前編】

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昨今、大企業からベンチャー企業へ転職する/起業するというキャリアのみでなく、そこから再度大企業に出戻り新規事業を立ち上げる、また、ベンチャー企業間で転職する、などキャリアが多様化していると感じられる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、新卒で戦略コンサルに入社し経験を積んだのち、共同創業したベンチャー企業の取締役として組織を成長させ、その後スタートアップである株式会社WARCにジョインした小林 駿様にお話を伺いました。

前編では、取締役共同創業者として立ち上げた会社から、株式会社WARCへ立ち上げメンバーとしてジョインした背景と同社で実現したいことを伺います。

WARCのミッションとは

ベンチャー起業家や挑戦する人を支援したい


ーまず、貴社の事業内容について教えてください。
「会社としては、『想いをカタチにできる世の中を創る』というミッションを掲げています。創業者の2人がもともと会計士で監査法人にいたのですが、その後ベンチャー企業のCFOや監査役としてIPOやM&Aを経験する中で、強い想いを持った人が多く、ハイスピードで成長していくこの業界の虜になったそうです。

そこで、自分たちが上場やベンチャー企業の経営を経験する中で得たノウハウを生かしながら、挑戦する企業や個人の支援していきたい、という気持ちがミッションにつながっています。そして、日本からユニコーン企業や、世界に通用するようなプロダクトを作る会社がより増えてほしいという展望をもっています。

その支援をしていくため、事業としては大きく5つのサービスを展開しています。メインは、コンサルティングサービス事業、M&Aアドバイザリーサービス事業、タレントエージェンシー事業の3つで、その他に投資事業や現在開発中のプロダクト事業(HRTechサービス)の2つがあります。

すでに、ベンチャー企業向けにコンサルティングや人材支援をそれぞれ展開している会社はありますが、私たちはすべてをワンストップで一貫して支援できるのが強みです。例えばスタートアップが立ち上がったときに、採用やお金回りをどうしたらいいか分からないという悩みや、もう少し企業として成長するとIPOしたい、上場に向けて準備したいという想いが出てきます。

さらにもっと会社を強化したいとなったときには、M&Aにより規模を拡大させたい、はたまた、M&Aをしたはいいけどそのあと会社として1つにまとまることができていない、といった悩みも考えられます。

こうしたベンチャー企業にありがちなフェーズごとの課題に対し、部分的にあるいはワンストップの支援ができるように、それぞれの専門家を集めて横断的な連携をしながらサービスを提供しています。」

共同創業した会社からの転身を決意

自己表現を追求したい

ー小林様がWARCにジョインされるまでの経歴を教えていただけますか。
「大学を卒業した2012年4月に、外資系の経営コンサルティング会社であるA.T.カーニーに入社しました。A.T.カーニーには丸3年勤め、その後2015年に共同創業でエンターテイメント事業を手掛けるオースタンスという会社を立ち上げました。そこでは4年弱、取締役としていくつかの事業立ち上げを行った後、2019年1月からWARCにジョインしました。

共同創業で立ち上げた株式会社オースタンスは、ダンサーやシンガー、俳優、マジシャンなどのアーティスト、パフォーマーの仕事を創出することをミッションとした会社です。イメージしやすいのはドラマやCMですが、それだけだと市場が広がらないので、今までエンターテイメントが存在していなかったようなウェディング領域などに新しい切り口でサービスを提供していきました。」

ーそこで会社を辞めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
「端的に言うと、自分の考えや想いを自由に表現したいという気持ちが強くなったからです。会社の役員構成は社長と私の2人というもので、社員も10人ほどと組織としても順調に成長していたのですが、事業運営の中で、社長と価値観が違う部分や、自分としてはこうやりたいのにできないという部分が出てきました。そこで、どこかのタイミングで別々の道を歩んでいくべきではないかと相談して、会社を離れることを決めました。」

WARCへの参画を決めた理由


ーそのまま自分で起業することは考えなかったのですか?
「もちろん起業も選択肢としてはありましたが、正直ネットワークもそこまでなければ資金調達の当てもありませんでした。また、自分が4年間会社をやってみて思ったのは全然修行が足りないということでした。なので、このタイミングでは自分でやりたい気持ちを抑えて、しっかり修行をしようと考えた次第です。

そこでもっとベンチャー界隈のことを学んだりするためには、気鋭の起業家や経営者、投資家と接点をもって話をする必要があると。そう思ったときにちょうどWARC執行役員の篠原から話をいただきました。コンサルティングという前職で培ってきたスキルを生かしながら、ベンチャー界隈の人と一緒に仕事をすることができるということに魅力を感じました。

また、前職時代からスタートアップ支援にはずっと興味がありましたが、”A.T.カーニーのプロジェクト”としてはなかなか取り組むのが難しくもどかしい思いをしていたので、その課題意識に改めて取り組むことができる環境であったというのが決め手となりました。

そもそもWARCは2017年からありますが、実際に事業が立ち上がったのは2018年10月頃からで、僕の入社時期とそこまで差がありません。ですので、ベンチャー企業に転職したという感覚はあまりなく、立ち上げメンバーとしてジョインしている感覚です。

すでに他のプロフェッショナルの方々のジョインは決まっていましたが、事業をゼロから立上げた経験がある人は少ない、という状況でした。そこで起業もコンサルも経験しているという点で、会社としても一緒に立ち上げをやって欲しいというお話をいただいて、その課題解決に取り組みたいと思いました。」

WARCで実現したいこととは

新しいコンサルティングサービスの在り方を見つける

ーWARCの中で小林様が担当されているのがコンサルティングサービス事業だと伺いましたが、そこで実現したいことはありますか?
「今はお客様のところに行って課題解決のお手伝いをするという、旧来から行われている『人』が主体となるコンサルティングスタイルです。しかしそれだけをやっていても人材数がネックとなり事業拡大が制約されるので、新しいコンサルティングサービスの在り方を検討し始めているところです。

コンサルティングサービスで多いのは、ある1つの経営課題があり、それを解くために組成される『プロジェクト型』です。しかし、ベンチャー企業の場合は、例えば経営戦略を見直すというような単一の課題というよりは、事業成長、マーケティングという課題があるときもあれば、あるときは財務的な資本政策、またあるときは人事的な採用強化での悩み。さらに今度はせっかく採った人が辞めないようにする労務的な悩みなど、様々なレイヤーでの課題が矢継ぎ早に出てきます。

そうなったときに法務であれば弁護士さん、労務であれば社労士さん、そしてファイナンスであれば会計士と、それぞれプロフェッショナルがいるので、そういう外部の人の力を借りることになると思いますが、そういう方々をどうディレクションして使いこなすのか、そもそも今の自社の課題を構造的に伝えるもの難しいものです。

例えば、そこに対して、サブスクリプション型で継続的に相談できるようなサービスができないかなと考えています。私たちはベンチャー企業の課題をフェーズごとにわかっているので、規模が大きくなるにつれてそろそろこういう課題が出てくるのでこういう対策をしましょうとか、そろそろ専属の社労士さんを契約した方がいいとなったときにお客様の業種だとこういう人がいいですよ、といったアドバイスができます。

とにかくコーポレート領域で困ったらWARCに相談しよう、と思ってもらえるポジションになっていきたいと思います。これはあくまで検討している事業の一例ですが、このように知見を最大限レバレッジするなどして、労働集約型ではない支援の在り方を作ろうと考えているところです。」


いかがでしたか。

後編では、新しいコンサルティングサービス事業の在り方についてさらに深掘りしていきます。また、WARCとしての展望や小林様の目標についても伺っていきます。

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この記事を書いた人:

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

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