リブランディングで新たな価値を生み出す!創業70周年の決意とは?【アンダーデザイン前編】
近年、『リブランディング』という手法を用いて、企業のブランド価値を高めることに成功した事例が増えています。アンダーデザイン株式会社様もそのうちの1つです。
今回は、新事業を始めるとともに社内制度も一新するという大規模リブランディングを行った同社の代表取締役社長の川口 竜広様にお話を伺いました。是非ご覧ください。
目次
リブランディングに至った経緯
会社概要について
―まずは貴社のメイン事業についてお聞かせください。
「これまでやってきたメイン事業は『インフラ構築・運用・保守事業』と『PBX事業』です。前者は、サーバーからネットワーク、クラウド、ファシリティに至るまで、最先端のITインフラをお客様のビジネスプランに合わせて構築するトータル支援サービスです。
後者は、企業のビジネスフォンや音声・テレビ会議システムなど、あらゆる社内コミュニケーションをお手伝いさせていただく事業です。従来型PBXシステムの修理・保守メンテナンスから、IP PBX移行による通信費削減まで、その業務は多岐に渡ります。創業から70年間続けている事業です。」
創業70周年で感じた想い
―創業70年というお話が出ましたが、このタイミングでリブランディングを決意したのはどうしてですか?
「メイン事業であるインフラ事業、PBX事業がこれからの時代では斜陽産業になっていく懸念がありました。また、これから少子高齢化による人手不足が大きな壁になってくるだろうと感じていました。
そうなったときに、これまで70年の歴史を作ってきた私たちが創業100年を目指すのにあたって、このままではいけないという強い危機感を覚えたのがきっかけです。そこで会社の魅力と事業の魅力の両方を改革していこうと決意しました。」
―伝統ある既存文化を一新するのはかなり難しいですよね。
「はい。私自身、代表取締役社長として就任して7年が経ちますが、最初の6年は構造改革の3年、成長戦略の3年という中期経営計画を立ち上げて既存事業の改革に取り組む中で、既存の文化が根強いということを思い知らされました。
長い歴史とそこで築かれてきた歴史が事業の変革を行う上で大きな妨げとなり、既存文化と新規文化を融合させることは難しいのが現状でした。しかし、変革はしていかないといけないということで、7年目は3度目の中期経営計画として思い切って会社の在り方から見直すブランディングをしていくことにしたんです。」
リブランディング前の課題
―リブランディングによってどんな課題を解決しようとしていたのでしょうか?
「課題は2つありました。1つは『既存事業と新規事業の共存ができないこと』です。前述のとおり長い歴史が妨げになっていたので、既存事業や既存文化を根本から変えるのではなく、新規事業の立ち上げや新たな文化の形成を行っていくことで、リブランディングを進めていくことにしました。
そしてもう1つは『新規事業に配属される人材の定着率が低いこと』です。既存事業を担っていた文化の下に新規事業を始めたので、新規事業に採用する人材と既存の文化が上手くマッチしていませんでした。ベンチャー企業に入ったつもりが実は老舗企業だった感じです。そこで、採用についても既存社員と既存事業社員は完全に切り離し、新しいタイプの人と新しい文化を作っていくことにしました。」
ロゴについて
ロゴ、社名の変更の経緯
―ロゴと社名も変更なさったとのお話でしたが、これにはどのような背景があるのでしょうか?
「現在、経済産業省が『デザイン経営』を推進しています。例えば、会社のブランド構築や新規事業のイノベーションのためにデザインを活用する試みですね。要は産業競争力の強化が目的です。こういった風潮に後押しされて私たちも社名やロゴを変更しました。」
―かなりおしゃれなロゴですが、決めるのに相当苦労されたのでは?
「そうですね。合宿を行って多くの候補を出した中から決めていきました。
まず『アンダーデザイン』の社名には、インフラや縁の下の力持ちを連想させる『アンダー』と、表に立つことで効果を発揮する『デザイン』、この対極的な2つの言葉をかけ合わせることで新しい価値を創造したいという想いが込められています。
ロゴにもいろいろなこだわりがありまして、フォントは世界に1つだけのものを用意しましたし、色についても『アンダー』の名に恥じない深い黒色を選びました。
そして7本の線は70周年を想起させることに加え、これまで誇りをもって取り組んできた電話線をイメージしています。これまでの歴史と新しい私たちを感じていただければ嬉しいと思っています。」
面白法人カヤックと取り組んだプロジェクト
―今回のリブランディングでは面白法人カヤック様に協力を依頼したそうですが、その理由は何ですか?
「これまで、私たちは自分たちのリソースを使い、社員と相談しながら物事を解決してきました。しかし今回のリブランディングには、外部の専門家の力を借りることで大きく会社を変えていきたいという強い思いがありました。そこで自社のユニークなブランディングや独特のアイデア開発で知られる面白法人カヤック様に協力を仰いだのです。
決め手になったのは私の友人が同社でクリエイティブディレクターを務めていたことです。彼は某大手広告代理店で数多くの著名企業のブランディングをしてきた経験もあり、今回も常にブランディングの視点から発想してくれました。」
川口様、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。インタビューを通して、川口様のリブランディングに対する熱意や込められた想いが感じられました。後編では新規事業について深く掘り下げていきます。