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休暇時に働く「ワーケーション」とは?【働き方・簡単解説】

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日本の働き方の問題点としては、有給休暇取得率が低いことや、「職場が有給消化を認めない雰囲気にある」など、有給休暇が取りづらいことが挙げられます。
そんな課題を解決すべく、ワーケーションという旅をしながら働く方法がさまざまな企業で導入され始めています。
今回はワーケーションのメリットやデメリット、導入事例についてご紹介します。

ワーケーションの概要

ワーケーションとは

「ワーケーション」は、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を掛け合わせた造語です。
休暇を過ごすために滞在するリゾート地などでテレワークを行うことを指します。働くだけではなく、休暇をしっかり取るという目的を含めています。

休暇を理由としてリゾート地に短期滞在をし、テレワーク制度を活用して仕事をすることで、生産性の向上が期待されます。
また、休暇で訪れる場所に対して関心を持つようになり、人材交流が活発化するとも言われています。

ワーケーションを利用すれば、自宅だけでなくリゾート地や帰省先でも作業をすることができるので、場所にとらわれない自由な働き方をすることができます。

ワーケーションが生まれた背景

「ワーケーション」という言葉が生まれた背景には、有給休暇取得率の低さがあります。

「ワーケーション」という言葉は2000年代にアメリカで誕生しました。当時のアメリカは、現在の日本と同様に有給休暇取得率が低く、休日にもオフィスへ連絡が来ることもあったようです。 その状況に対する改善策として休暇時にも働ける環境を作るためにもワーケーションの制度が整備されてきたそうです。

エクスペディア・ジャパンが2018年12月に行った調査では、日本の有給消化率は約50%で、世界19カ国中で最下位でした。
日本政府も、2020年までに有給休暇取得率を70%まで引き上げるという目標を立てています。しかし、達成するための制度は未だに整っていません。
休暇を取るという習慣を浸透させるためにもワーケーションの普及は有効な一手となるでしょう。

ワーケーション利用のメリット・デメリット

メリット

場所にとらわれずに働けることが、ワーケーションをする最大のメリットです。
この制度を利用すれば、自宅だけでなく帰省先や旅先でも業務を行うことができます。 場所を変えることは、作業効率の向上に効果的です。

日本の労働者は普段、通勤ラッシュなどの要因から、働くことにストレスを感じやすい環境におかれています。
しかし、ワーケーション制度を利用すれば、普段とは異なる景色や雰囲気に癒されながら作業を行うことができます。喧騒を避け、自分のペースで作業を行うことができるのです。

ワーケーションを導入することで、働き方改革に向けた取り組みやCSR推進が評価され、企業に対する好感度が上がります。そのためワーケーション制度導入は、企業にとっても有益です。

デメリット

職場以外の場所で作業をすることには、効率性の向上につながるというメリットがあると分かりました。
その一方で、従業員が仕事とプライベートが混同するのではという懸念もあります。

環境が変わると周囲に気を取られてしまうので、作業に集中できなくなるかもしれません。
あるいは休暇先でPCを用いて作業することで、「常に仕事に追われている」という感覚を抱く人もいるのではないのでしょうか。
せっかくの休暇を楽しんでいるのに、仕事のことを考えなければならないと考え、ワーケーション制度にストレスを感じる人もいるかもしれません。

日本国内での導入事例


日系企業でもワーケーションの導入が始まっており、中には行政主導型の導入事例もあります。
ここでは民間と行政、両方の事例をご紹介します。

日本航空(JAL)

https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1167936.html

日本航空は働き方改革の一環としてパイロットや客室乗務員を除いた社員を対象に、2017年の7月から8月にかけて最大5日間のワーケーションを実施しました。有給休暇と合わせて取得することが可能な制度でした。
日本航空では既に2014年より在宅勤務が導入されていたものの、テレワークを更に推進するための取り組みとして、ワーケーションを実施したそうです。

現在でも利用者は増加しており、仕事に対するモチベーションアップやリフレッシュ効果が期待できるとのことです。

株式会社セールスフォース・ドットコム

https://www.salesforce.com/jp/blog/2016/04/depopulation

セールスフォース・ドットコムでは、内勤営業部隊が白浜オフィスで作業をしています。それを活かして、白浜オフィスへの短期出張、または白浜オフィスへの赴任という形でワーケーションを実施しています。
東京から飛行機で1時間というアクセスの良さや、白浜町のネットワーク整備の充実度、企業と地域をつなげようとする自治体の姿勢を理由に、白浜にオフィスを構えたそうです。

この制度を導入した結果、東京オフィスより白浜オフィスのほうが20%高くなりました。満員電車で通勤する必要もなく、働くことに対してやりがいを感じられる環境が整備されていることも、この制度を利用するメリットとして挙げられます。

和歌山県西牟婁郡白浜町

白浜町は、紀伊半島南部に位置する観光地として知られていますが、全国に先駆けてワーケーションの提供に力を入れている町としても有名になりつつあります。
白浜温泉街やホテルでも作業ができるよう、町内の施設にWi-Fiを導入したり、ワーケーション体験会を実施したりとワーケーション提供に向けた整備を進めています。
町の知名度向上のためにも、ワーケーションを通した企業誘致を行うなどしているようです。

まとめ


ワーケーションは、労働者個人が自由な働き方を選択することができるという特性を持っているので、日本人の働き方改革に一役買うことになるでしょう。メリットとして、リラックスできる場所で作業できることがあげられます。
休暇先で作業の実施や、地域貢献活動(ボランティア活動)へ参加するなど普段は体験できないことをすることも、自身の働き方を見直す良い機会になるのではないのでしょうか。
これらのメリットを考慮して、ワーケーションを導入してみるのもいいのではないのでしょうか。

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この記事を書いた人:

稲葉真世

Paid学生インターン。趣味は映画鑑賞と音楽鑑賞です。地域活性化や人々の居場所づくりに関心があります。

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