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冷凍テクノロジーでフードロスの解決とサーキュラー・エコノミーの実現を目指す【デイブレイクインタビュー】

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「サーキュラー・エコノミー」という言葉を聞いたことはありますか?資源を循環させる経済のことで、世界的な大企業がいち早く企業戦略に取り入れていることで、世界でも大きな注目を集めています。

天王洲アイルに本社を置くデイブレイク株式会社は、冷凍テクノロジーを活用して「フードロス」という社会課題の解決に取り組むと同時にサーキュラー・エコノミーの実現を目指すベンチャー企業です。

今回は、代表取締役CEOの木下 昌之様に同社がフードロスの解決に向けて展開する事業や、そこからどのようにサーキュラー・エコノミーの実現を見据えているのか、お話を伺いました。

冷凍テクノロジーでフードロスの解決を目指す

オウンドメディアで顧客の“生の”声を聞くところからスタート

ーまず、木下様が起業した経緯を教えてください。
「元々、家系が70年以上続く冷凍機の老舗販売会社だったこともあり、自分自身が冷凍の技術者でした。10年前くらいに社会にインパクトを与える何かがしたいと思って友人と2人で東南アジアに旅行したのですが、タイの奥地で目にしたのが屋台で山積みになって売られているフルーツでした。ところが買う人も少ないし、暑い地域なのでどうなるのかなと思って現地の友人に聞いてみたところ、ロスになってしまうと。

そのときに冷凍の技術や知見を活かすことでこうしたロスを削減し、さらに商品が売れるようになることで雇用が生まれて、こういう奥地の方々も豊かになるのではないかと考えたのです。そこでフードロスに興味を持ったことがきっかけで以前勤めていた父親の会社を辞め、一から会社を立ち上げました」

ーどのような事業内容でスタートしたのでしょうか。
「主に、『特殊冷凍技術』を扱っています。冷凍では水分が1つ固まると、まだ固まっていない水分がその氷結晶に吸い寄せられてどんどん大きくなっていきます。そうすると細胞膜を傷付けてしまい、例えばお肉だと解凍した際にドリップが出てしまったり、食材がおいしくなくなってしまうのです。冷凍速度を速めることで、氷の結晶を小さく生成し、細胞を破壊せずに凍結できるのがこの技術の特徴です。

ただ、弊社はメーカーではなく複数のメーカーの機械を扱い、お客様が扱っている食材に対して、どの機械を選定したらいいのかを中立的な立場でコンサルティングから導入支援までをしています。メーカーではなく特殊冷凍機の専門商社という立ち位置になることによって、急速冷凍機のパイを取りに行きました。その集客方法として「春夏秋凍」というオウンドメディアを運営しています。

我々はもともとメーカーでも生産者でもないので、“資源“を持つことが難しいです。そこで、この食品業界に顧客を作るという点と、顧客と向き合いネットで検索しても出てこないようなお客様や生産者の生の声を吸い上げることがこのメディアの目的です。その中に課題はたくさん含まれていますから、それらの課題を冷凍テクノロジーで解決することを目指し、事業を展開してきました。

メーカー同士では比較することを嫌いますが、私たちはインターネットで圧倒的な集客力があるので、比較することを国内で唯一許していただいているところがあり、今のビジネスモデルが成り立っています」

冷凍技術を研究し、満を持してフルーツ事業を展開

ーそこからHenoHenoを立ち上げた?
「フローズンフルーツの事業を初めからやりたかったのですが、知見もないですし、生産者を開拓に行って食材をくださいと言っても相手にしてもらえないと思ったので、まずはしっかりしたデータやノウハウ、自分たちの地位を得ることに注力しました。

フルーツ事業をやるにしても、鮮度保持の冷蔵方法、特殊冷凍機の選定と加工方法、特殊包装したものの保存方法などのノウハウが必要です。機械を買えばおいしく冷凍できると思われがちですが、その先の保存に関しては温度や包装の仕方を間違えると3か月後にはおいしくなくなってしまう場合があり、正しい方法であれば2年経っても風味も飛ばずに保存できます。ここ3~4年はこの技術を徹底的に研究し、満を持してフルーツ事業をスタートしました」

ー具体的なサービスの概要を教えていただけますか。
「本来食べられるはずの食材が年間約640万トン破棄されており、そのうち果物は約100万トンです。これだけロスが出ているのに、果物を食べている消費者がどのくらいいるかというと、各10~70代で1日200gという必要量を全く満たしていません。理由は日持ちしない、値段が高い、皮をむくのが面倒などです。

それを解決するのがこの“HenoHeno”という商品です。フードロスの果物、ロスというのは腐っているということではなく、味はおいしいけど形がいびつで商品にならないものや、豊作すぎて値崩れしてしまうものを買い取り、我々がパートナーとして冷凍加工をして販売する仕組みです。

HenoHeno公式ページ:https://henoheno.jp/

今はまず、オフィス向けのサービスを展開しています。オフィスに専用の冷凍庫を貸し出し、従業員数によって購入する個数が変わるので、サブスクリプションで利用料を頂戴しています。そして“HenoHenoアプリ”というキャッシュレス機能付きの無料アプリを一緒に使ってもらうことで、個人で食べた量と企業で食べた量が分かるようになっています。そもそもHenoHenoはロスの果物を使用しているので、SDGsの17個の項目の中の一つにフードロス削減を目指す項目があるように、HenoHenoを食べて社会貢献していることが見える化できるようになっているのです。そのため、SDGsや健康経営に力を入れる企業からは、多数問い合わせをいただいています。

そして小売りへの販売(ナチュラルローソンでの限定販売)もすでに始まっていますが、そこも拡大していき、海外展開も考えています」

HenoHenoは “サーキュラー・エコノミー”を実現する事業

生産者のさまざまな課題を解決

ー福利厚生として導入することでも健康経営につながりそうですね。その他、生産者にとってもメリットのある仕組みになっているのだとか。
「生産者自身が冷凍して販売しようと思っても、機材だけでコストが400万円以上するので、なかなか一生産者が買うには高すぎて断念してしまいます。そこで我々が自ら食品メーカーになることによって、食材ロスを解決しています。

また先ほどご説明したロスしてしまうようなもの、規格外や、値崩れ、災害で出た販売できないものは、ほとんどがジュースやジャムの原料として販売されています。すると加工品としてとらえられるので値段が一気に下がってしまいます。さらにそれを買い取ってもらうためにひと手間加えないといけなかったり、成約量が決められてしまって必ず何トン用意する必要があったり、そして最後はボリュームディスカウントされてしまうなどの問題があります。

我々はそうしたロットも求めないですし、食べられるおいしいものであればサイズなども関係なく、箱に詰めて送ってもらうだけです。価格に関してもジュースの原料として販売する価格より高く、生産者が求める価格で応相談して買っています。生産者にとってもロスしているものが収益に還元されるという点でも、感謝の声をいただいています」

最終的には農家離れを解決するエコノミーシステムへ

ー農家が減っていることも社会問題になっていますから、その解決にもつながりますよね。

「最近注目されているキーワードに“サーキュラー・エコノミー”(=再生し続ける経済環境を指す概念)がありますが、まさに本来捨ててしまっているようなものを上手に活用してまた循環させることができるのが、今回のHenoHenoのシステムです。フードロスしているものが急速冷凍テクノロジーの活用によってまた循環し、経済が潤滑に回っていくところまでをイメージしています。

最終的に販売先までを提供するのがポイントで、六次産業化では国が支援して商品開発しましたが、結局失敗したと言われているのは販路が作れなかったからだと考えています。地方の農家さんが頑張って販路を探してもなかなか大きくは拡大できません。我々にはメディア戦略や元々の事業内容があるので、出口である販売先として早速ナチュラルローソンさんに置いていただいていますし、オフィス向けはもちろん、他にも順次販路が増えていく予定です。

私はここまでが六次産業だと思っていて、販路ができれば基本的にこのお金が農家さんのところに還元されます。農家さんは減少傾向にありここ10年で半減していますが、その大きな原因はやはり儲からないからです。しかし、作ったものがちゃんと売れて、今まで捨てていたものもお金になれば収益は上がります。こういうところでも農家離れを解消できるようなエコノミーが作れるのではないかと考えています。ただフルーツを仕入れして加工して販売しているだけなのですが、実は内部にはそれだけ大きなスキームが組まれています」

ーベンチャー企業がそうした大きな経済圏にインパクトを与えるというのは、すごいことではないでしょうか。
「最近は“フードロス”という文脈で特集されることが増え、行政や大手企業からもお声掛けいただくことが増えました。国としても“食品ロス削減推進法”を5月に制定しており、今後よりフードロスの解決に力を入れていくでしょう。そこで有識者としてとらえられているのは強みだと思います」

食料の分配から世界中の人々を幸せにしたい


ー最後に、今後の展望を教えてください。
「フードロスをどれくらい削減できるかというのは、これからも会社として目指していくところです。そしてフードロスを調べるとセットで出てくるのが、「飢餓」というキーワードです。最初にご説明した通り、日本だけでも食べられる食材が約640万トンも破棄されていますが、世界中の飢餓の子供たちを救うための食糧援助として必要な量が300万トンです。

それをしっかり分配できるような社会づくりを目指していきたいと思います。そのときにカンパンのような保存食といったものではなく、“おいしい”という味覚や幸せという気持ちを届けられる。皆が温かい心になっていくようなそういう社会を目指しています」


いかがでしたか。
「フードロスの解決」というだけで非常に大きな社会課題の解決を果たしていると思いますが、それがさらに新たな雇用を生み出したり農家離れを解消したりなど、経済全体にとってさまざまなメリットを生み出すスキームになっているHenoHeno。筆者も過疎化が進む地方の出身なので、今後の展開が地方創生につながっていくことを期待したいです。

会社名
デイブレイク株式会社
住所
〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-33 ニウケビル5F
事業内容
急速冷凍コンサルティング、特殊急速冷凍機の導入支援/冷凍冷蔵設備・関連商品の販売、設置・施工、ソリューションサービス/急速冷凍食材の流通事業/冷凍食品のインターネットサービス
URL
https://www.d-break.co.jp/
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この記事を書いた人:

高澤夏紀

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

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