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採用の悩みを解決!ベンチャーの採用で見落とす3つの罠とミスマッチ対策

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多くの企業は経営目標達成のために営業や販売の強化だけではなく、人材の獲得や活用に重きを置いていますが、それは大企業よりも創業期のベンチャー企業に顕著に表れています。
しかしながら、ベンチャー企業は大企業や既存の中小企業と違い、採用予算がなく知名度もないのが現実であり、創業期ともなるとこれからの見通しが立つか分からないという理由で避けられることも多いです。

それを示すように、人材ニーズを従業員規模別にみると4人以下規模の企業が一番多く人材を必要としていますが、企業が必要としている人数に対して採用できた人数の充足率が一番低い企業も4人以下規模の企業であり、続いて10人以下の企業となっています。小さい企業ほど人材を必要としているのに採用できず、大企業に人材が偏っている傾向にあります。(参考:独立行政法人中小企業基盤整備機構経営支援情報センター「中小機構調査研究報告書第3巻第6号」

そこで、【ベンチャー採用のプロに聞く、ベンチャー企業での人材確保の成功と失敗】にてお話を伺った、ベンチャー企業などに新卒採用から中途採用までの幅広いサービスを持つGoodfindを展開する、スローガン株式会社の代表取締役社長 伊藤豊様にベンチャー企業の採用で見落としがちなポイントについて教えていただきました。

採用で見落とす3つの罠

採用予算がないからといって諦めるべきではない


ベンチャー企業は確かに大企業に比べて、知名度や採用予算がありませんが、面接やインターンに学生や転職希望者を呼ぶために、無理に採用予算を捻出する必要はないと伊藤様は断言します。

採用予算がない小規模のベンチャー企業では、Wantedlyや社員紹介などの方法で人材を集めるのも一つの方法です。
社員紹介の方法としては、全社員に声をかけ、知り合いで優秀な人や転職可能性が無くても一緒に働きたいと思える人をリストアップしてもらい、コンタクトをとります。
リストアップした人に可能な限り徹底的に接点を作るようにすると、可能性がないと思っていた人であっても転職してくれることもあるので、採用予算がないからといって諦めずに自分たちのネットワークで会える人に会いに行くのが重要だと伊藤様は言います。

そうすることによって、採用予算がなくても、優秀な人材をできるだけ費用をかけずに採用できます。
ただし、社員紹介を利用し順調に社員数が増えていても、20人を超えたあたりからは人材エージェントを利用した採用が必要になってきます。そこで重要になるのが次のポイントです。

多くのエージェントに声をかけても良い人材が来るとは限らない


エージェントを利用するにあたり、大切なのはエージェントとの関係づくりが重要であるのは言うまでもありません。
確率論的に多くのエージェントに声をかけたほうが、多くの人材が面接にきて、その中から良い人材を採用できると考えがちですが、声をかけるエージェントは絞るべきだと伊藤様は言います。

というのも、15社のエージェントに声をかけているベンチャー企業よりも、3社のエージェントにしか声をかけていないベンチャー企業のほうが、エージェントからすると数社に絞ったうちの1社に選ばれたと、自ら人材エージェント事業をやっていると感じるそうです。そうなるとエージェントもやる気が出ますし、より良い関係作りにつながります。

そのため、闇雲に多くのエージェントに声をかけるのではなく、質の良いエージェントを絞ってオーダーを出すというのが良い人材確保のルートになるでしょう。しかし、ベンチャー企業の中にはエージェントを使わなくても人材側から応募してきてほしいと思っている経営者もいると思います。そこにも気を付けるべきポイントがあります。

価値のある露出と損をする露出がある


エージェントを使わないで応募を待つ採用方法は、理想論としては間違っていないのですが、それは難しい上にどこにも求人を出していないベンチャー企業というのは、人材側から見ると少し怪しく見えるため、止めたほうがいいと伊藤様は苦言を呈します。

そして露出を増やして人材に企業の認知度を上げることは必要なのですが、露出方法が良くないと失敗することがあると言います。それは、サービス内容や商品ばかりを宣伝しすぎることで、そのイメージばかりが先行してしまうケースです。

例えば医療系のサービスだと、医療の知識がなくてもできる重要な仕事があるのにも関わらず、医療のイメージが強すぎると医療に興味のない人材から避けられてしまうということがよくあるそうなのです。サービスだけのイメージが先行してしまうと、自分には関係ないという先入観を人材に持たれてしまうことで、機会損失が生まれてしまいます。
そのため、露出をしすぎて損をしている企業が多いように感じると伊藤様は言います。露出を増やして見つけてもらう努力も必要ですが、変な目立ち方をしないように気を付けることも重要です。

採用の常識と思っていたものが落とし穴だった

伊藤様、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
全くお金を使わずに、人材を集められるとは驚きです。また、多くのエージェントに声をかけたり、知名度を上げるためにいろいろなメディアに露出するのが罠になるとは思いませんでした。
別の記事では、ベンチャー企業の人材確保の難しさ、人材確保の方法、よくある失敗や落とし穴、それらの対策について良い人材を採用するにはどうすればいいか、人材募集の問題点を紹介しています。
ベンチャー企業で人材確保に困っている皆様、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事を書いた人:

平井和希

新しいサービスやガジェットが好きです。天ぷらも好きです。今年度中にBMIを20にするのが目標です。

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