AI失業に必要なベーシックインカム(BI)とは?日本での導入は?【連載①】
最近話題になっているベーシックインカム(BI)はご存知ですか?
ベーシックインカムとは、AIに仕事が奪われてしまう未来に備えた社会保険制度のことです。
今回は、ベーシックインカムの日本での導入、AI・イノベーションとの関係について連載でご紹介していきます。
連載1回目となる今回は、基本的なベーシックインカムの考え方、日本での導入についてご説明します。
目次
ベーシックインカム(BI)とは?
ベーシックインカム(BI)=社会保険制度
ベーシックインカムとは、政府が国民全員に対し、生活に最低限必要な金額を支給する社会保険制度です。
例えば、設定が8万円なら、月に1回国民1人ずつに8万円が支給されます。
このベーシックインカムという考え方は16世紀頃からすでに提唱されていましたが、まだ導入している国はありません。しかし、AIの発展により今ある職種や仕事が代替され、失業者が多く出てくることが予想される未来に備え、近年欧米を中心に議論されている制度です。
ベーシックインカムの目的
ベーシックインカム導入の一番の目的は、コンビニのレジやコールセンターなど、AIによって代替され得る職業に就いている人たちを救うためです。
AIの開発に取り組むシリコンバレーのテック企業たちからも支持され、導入すべきという声が高まっています。
米電気自動車メーカー、テスラのイーロンマスクCEOも、「今後、多くの仕事が人間に替わってAIで行われることを考えると、ベーシックインカムの導入は必要になるだろう。」と明言しています。
日本でベーシックインカムを導入した場合得られる効果
日本でも、一部の有権者の間でベーシックインカムの導入が検討されています。べーシックインカムは、AI失業者の生活を守るだけでなく、経済的に見てもメリットがあると言われています。日本で導入した際のメリットをご紹介します。
個人消費が増加する
日本はここ20年、消費が伸び悩んでいます。しかし、ベーシックインカムを導入することで貧困層や、若年層からの個人消費が増加すると考えられます。
Tranzax株式会社様のインタビュー記事でもありましたが、富裕層がお金を持っていても消費行動は起こしにくいのです。
日本の大企業の内部留保は総額400兆円にものぼると言われています。大企業は貯めこむばかりで消費をせず、これが日本の経済成長を鈍化させる要因です。そこで、貧困層、若年層が消費活動を行うことが日本経済にとって重要なのです。ベーシックインカムを導入することで、これらの層の消費活動を助長することができます。
富の再分配ができる
ベーシックインカムを導入することで、富裕層と貧困層の格差を縮めることができます。日本で導入する際には、従来の年金制度を廃止して行うことになるので、富裕層は支給される金額が減り、貧困層は支給される金額が増えます。
少子高齢化の影響により、従来の年金制度を保つことができなくなる可能性も考慮して、日本でもベーシックインカム導入についての議論が加速しつつあります。
日本でベーシックインカムを導入した場合の不安要素
逆にデメリットはあるのか、ご説明します。
財源はまかなえるのか?
日本で導入する際に問題となるのが財源です。
月8万円支給すると仮定しても、
月8万×12か月×1億2000万人=約115兆円
1年でこれだけの財源を用意することが必要です。
消費税を大幅に引き上げたり、今まで緩和し続けてきた法人税を引き上げるたりすることで財源をまかなおうとしていますが、現実的ではないという意見が多数です。
働かない人が出てくるのでは?
どの国でも、ベーシックインカムを支給されると働かない人たちが大勢出てくるのでは?という問題が取り上げられます。
しかし、ベーシックインカムを導入することで逆に労働意欲が向上し、働かない人たちは少ないだろうと言われているのです。
なぜそのようなことが起きるのでしょうか。
ベーシックインカムがもたらす労働意欲、イノベーションについて、連載第2回でご紹介します。
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