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自ら率先して改善していけば少人数でもサービスをグロースできる【GMOメイクショップインタビュー後編】

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前編では、GMOメイクショップの岩月 順子様に同社が提供するMakeRepeaterのサービスについて、そして岩月様がこのサービスの立ち上げに関わった経緯などをご紹介しました。

前編はこちら
自ら動いて判断する。プロダクトマネージャーとしての役割【GMOメイクショップインタビュー前編】

後編となる今回は、プロダクトマネージャーの役割を担う難しさや、少人数でサービスをグロースするうえで気を付けている点などをお伺いします。

周りの人に納得してもらいつつ業務を遂行してもらうのがやりがい

事業を維持、成長させることは立ち上げ以上に難しい

ー入社してすぐに新規事業の立ち上げに携わるとなると、苦労されたことも多かったのではないでしょうか。

「今は慣れてきましたけど、最初は大変でしたね。新規事業をやるにあたって社内からの風あたりが強いな、という空気は入社当初から感じていました。新規事業というのは、誰かの仕事を何らかの形で増やすことになる傾向がありますし、もしうまくいかなければ既存事業で苦労して稼いできたアセットを無駄に食いつぶす結果となるわけです。そのような状況は、どこの会社でも多かれ少なかれ見られることだと思います。

またマーケティングの世界は、旬な領域であるだけに変化が早いです。昔はメールが当たり前でしたが、今はLINEなどのSNSが主流になったりプッシュ通知が活用されていたり。携わる側は当然そのような変化に敏感である必要があるのですが、既存事業はマーケティング領域の事業ではないので、同じ会社なのに異文化みたいなところが一番苦労した部分でしたね。

これは新規事業に限らず言えることですが、まずは企画力がないと上からGOは出ませんし、それ以降は遂行力や実行力がないといつまでたってもリリースつまり実現できません。たしかに最初のそこを担える能力は価値があります。しかしサービスが世に出て以降は、ユーザーに対しては機能改善、会社に対しては売上の責任が発生します。

そこで誰かが作ったものを維持、成長させる能力が必要とされますが、これもまた立ち上げと同様、もしかしたらそれ以上に難しいことかもしれないと思っているんです。フェーズによって必要なスキルや人材は変わっていくので、常に人を巻き込んでいかないととても1人では製品を成長させていけないですし、関わる人や範囲も意識して広げていく必要があります。そういう意味ではやみくもに突っ走ったリリース前よりも、リリース以降の今の方が難しいと思うことが多いですね。」

いかに目的をみんなの意思にできるか

ー周りの人を巻き込んで取り組むとなると、コミュニケーションやモチベーションの管理なども大変ですよね。その中で意識されていることはなんですか?

「一番気を付けているのは目的を伝えることです。”新しくこの機能を作りたいけど人手が足りないので協力してほしい”という場合であれば、その機能で何を解決したいのかをきちんと共有することです。

実は当初、制作や開発のメンバーとうまくいかなくて悩んだこともありました。私自身経験が浅い中どんどん実装を進めないといけなかったので、とりあえず言われたことをやればいいという感覚で、メンバーが思うように動いてくれないと「社長が言うから仕方ない」と言ってしまうこともあったんですね。まだ、”なぜそれをやるのか?”という上からの意図を自分がきちんと理解できていなかったためでした。

それではうまくいかなくて当然だと今では反省しています。なぜなら、それは結局自分に意思がないということだからです。そんな依頼側の言うことは誰も聞きたくないだろうと。もちろん会社としてやらないといけないこともありますが、要するに自分に意思がないとちゃんと人を巻き込んで何かを作り上げる仕事はできないんですよね。

その”意思を持つ”ということが、最も面白いことでもあり同時に最も難しいことでもあると思っています。”こういう風にすべき”という結論に至るソースは、自分だけではなく時にはユーザーやメンバー、そして社長が伝えてくる、こうなったらいいなという”ふわっとしたもの”を具現化し、だったらこういう風にしたらいいのではと噛み砕いてみることで生まれるんです。気を付けているのは、彼らの端的に出た要望や言葉が本当に解決すべきことを表現しているとは限らない、むしろ他のところに起因する場合も多いということです。

そのように考える癖をつけ、迷ったら周りに積極的に相談することでみんなの意思にもできます。周りの人に納得しながら仕事をしてもらうということは難しいですが、開発者や制作者に自分ごと化してもらい、一緒に作っていくということにとてもやりがいを感じています。」

忙しいショップ運営者の方々に役立つサービスにしたいという思いで試行錯誤

まずはUI・UXを強化して独自のカラーを出したい

ー今後、MakeRepeterをどんなサービスにしていきたいですか?

「マーケティング領域では、マーケティングオートメーション(MA)の大手ベンダーが2014年頃から日本に進出してきており、市場が非常に活性化している状況です。しかしMakeRepeterは、スコアリング等を行えるSFA的なtoB向け(事業者が事業者向けの営業活動に利用する)MAを目指しているわけではありません。あくまでECという事業領域のアドバンテージを活かして、EC領域に特化した「マーケティングツール」として忙しいショップ運営者の方々向けの分析機能やCRM機能の拡張、アクションの追加等を行っていく予定です。

いろいろできる多機能なツールは世の中にたくさんあり、ベンチマークしているサービスも実際にいくつかあります。その中で選ばれるサービスになるには、例えばもっとUIに特色を持たせるなど、まずは独自のカラーをもっと出していくことが必要だと考えています。結局お客様との接点になるのはUIなので、ストレスがあると使われなくなってしまいます。そこを強化するためにも社内でユーザーテストを繰り返し、改善に向けた努力をしています。

UI・UXを強化して独自の色を濃く出し、さらにアクションをもっと追加してMakeRepeterでできることを増やしていきたいですね。目的や状況により必要なアプローチ手段は異なるので、選択肢を広げる必要があります。またショップ運営者の方々は忙しい中でGoogleAnalyticsを見たりメールツールを立ち上げたりと、いろいろなツールにログインしないといけません。その工数が無駄なので、理想なのはMakeRepeterに1回ログインすればすべてのサマリーを見られるようにしていけるといいなと考えています。

あとは現状MakeShopへの依存度が高いので、他社カートご利用の方々の比率を増やしていくことです。MakeShopのアセットを食いつぶしているような状況なので、販路を広げていかないと単独で勝てるサービスになりません。そこが大きな課題だと感じています。」

機能を強化してから認知を上げていく

ー認知を上げていくことも必要ということですね。

「そうですね。2018年は機能を強化して、来年からは認知度を上げる施策をしていく予定です。昨年末からインサイドセールスも始めました。これまで営業は外に行くか電話で営業するかしかなく、集客といえばWebマーケティングという状態でした。しかし、本来営業とマーケティングの間にはインサイドセールスがいて、リードをナーチャリングして有効なホットリードのみを営業に渡すという役割を担うものなんです。ただ、現状自社でインサイドセールス部門を構築するのは難しいので、ノウハウを持つ企業にお願いして代行してもらっています。

認知施策をするにもお客様がどんな課題を持っているのかなどのデータが必要なので、今はそのデータをためるための醸成期間というイメージです。プロにお願いすることで勉強になることも多く、社内の営業メンバーもそれを参考にすることもできます。自社にノウハウがないということは知識を吸収できるという意味でもあるので、積極的に外部委託を検討したいと考えています。」

誰もが自ら率先して改善していける環境を

ー岩月様お一人でさまざまな業務を担当されていてリソースも限られていると思いますが、少人数でもサービスをグロースしていくには何が必要だとお考えですか?

「企画は課題解決を目的とする”行為”なので、誰か一人がすべての領域の企画を担うのは非効率的です。例えば、UI/UX視点の課題解決であれば制作担当者が担った方が効率的ですし、システム領域の課題解決は開発者でないとできません。

それらを俯瞰した立場でまとめるのがプロダクトマネージャーの役割であると思っていますし、そのように各役割の人が自ら率先して改善検討ができる環境を作ることが、人数が少なくてもサービスをグロースするための一番の方法ではないでしょうか。領域を超えられる人が複数いたら、少人数でも全体をカバーできます。ここしかやらないという人が複数いたところで、どこかを埋める人が常に必要になってしまい永遠に埋まらないですから。

当社も少ない人数ですが、少数精鋭で試行錯誤しつつ、忙しいショップ運営者の方々に役立つサービスにしたいという思いで日々研鑽を重ねています。メールマーケティングは時間がかかるものですが、初めにシナリオメールと呼ばれるフォローするメールを何パターンか用意しておけば、初期リソースはかかってもずっとお客様とコミュニケーションをしてフォローし続けることができます。

フォローとはいわば状況にあったご挨拶です。そういった基本的なマナーをおさえているショップはいいショップだなという印象を与えるため、安心して継続購入してもらえます。初めにその状態を作っておけばリソースも空いてくるので、早く自転車操業的なサイクルから抜け出していただくためにも、MakeRepeaterを多くの方に使ってもらえるようにしていきたいです。」


いかがでしたか。
周りの人を巻き込みながら動くのは非常に骨の折れる作業ですが、そこにやりがいを感じ日々サービスの改善に取り組んでいる岩月様の働き方がとても印象的でした。
また、人数が少ない中では全員が企画職のような立場で改善提案できることが重要ということがわかりました。
ぜひ参考にしてみてください。

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この記事を書いた人:

高澤夏紀

高澤夏紀

普段はPaidのWeb集客を担当。ビーチバレーが趣味。より多くの方にご覧いただけるメディアを目指して邁進します。

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