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消えたデータを取り戻す!「リーガルテック」のパイオニア 【AOSリーガルテック:インタビュー前編】

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近年、様々な領域でテクノロジーが導入されるようになり、「○○テック」という言葉をよく聞くようになりました。
その影響は行政などのリーガル領域にまで及んでいます。
今回は、「リーガルテック」の提唱者であり、様々なテクノロジー事業に取り組まれているAOSリーガルテック株式会社 代表取締役社長の佐々木隆仁様に、会社の歩みやデータの取り扱いについて伺いました。

AOSリーガルテック株式会社の歩み

データは消えてしまうもの。でも復旧はできる。

――まず、会社概要を教えてください。
「私は元々、IT企業で「絶対にデータの消えないコンピュータ」を作るプロジェクトに参加していたのですが、そのプロジェクトは上手くいきませんでした。しかしデータの消えないコンピュータが作れないということは世の中にデータを消している人がたくさんのではと思って色々調べたところ、大事なデータを消してしまったことがある人が8割近くいると分かりました。そして、ほとんどの人がデータ復元を諦めています。

そこでデータの消えないコンピュータが作れないのであれば、消えたデータを後から復元するビジネスを始めれば良いのではと思ったのです。データの消えないコンピュータの開発経験から消えたデータの復元に知見があったので、データ復旧ソフト・データ復旧サービスを提供することにしました。

こうしてデータ復旧事業を始めてから今までに100万件以上のデータを復旧してきました。そしてあるとき捜査機関から「逮捕した犯人の証拠となるデジタルデータを復旧して調べたいので協力してほしい」と依頼がありました。それをきっかけに様々な事件の調査に関わるようになりました。

実は事件があるとデジタルデータが重要な証拠になることが非常に多いのですが、捜査機関や弁護士など法律業務に関わる分野では証拠調査をはじめとしたテクノロジーが弱かったので、この分野を専門の会社として強化した方が良いと考えて分社化して設立したのがAOSリーガルテックです。リーガルテックとは、LegalとTechnologyを組み合わせた造語で当社が日本で最初に使い始めた言葉なのですが、証拠データの調査などの事業をこう呼んでいます。」

――そもそも起業のきっかけは何だったのでしょうか。

「前述のとおり、以前IT企業にいた頃「データの消えないコンピュータ」という、未だ世の中にないものを作り出す面白いプロジェクトに携わっていたのですが、途中で「これは上手くいかない」と思いました。

非常に優秀な人材や高い技術力、豊富な資金など恵まれた環境が揃っているのに何故うまくいかないのだろうと悩みましたが、大きな会社だったので、問題意識を持っていても新入社員一人でアクションを起こすことはとても難しいことでした。実際に事業部長に提言したこともありましたが真剣に聞いてくれませんし、企画部署への異動願いを出してももちろん通りません。

人が増えて組織が大きくなると新しいことに挑戦しようと思っても反対する人が増えていって、やりたいことができない環境が生まれてしまうのです。それに人数が多すぎるとスピードも出なくなります。全体の中に優秀な人がいても、優秀ではない人が作っている部分がなかなか完成しなかったり、そこに致命的な欠陥があったりすると、そこに全体が引きずられて思うように進まないわけです。

もちろん大きな企業でないと経験できないこともありますが、やはり構造的にうまくできない問題もあるので、そこで歯車のように働いていても新しいことには挑戦できません。そこで、会社を出て自分で会社を立ち上げて自由に何かをやろうと思ったのです。」

データ復旧を起点に様々な事業を展開

――AOSリーガルテックの他にも分社化した事業があるとか。

「消えたデータの復旧を通して、なぜこんなにもデータを失くす人が多いのかと疑問に思って調べたところ約8割の人は重要なデータのバックアップを取っていないということが分かりました。重要なデータに関しては社内でバックアップを取っている企業もありますが、重要でないものでもやはり無くなると困ります。また、ローカルにバックアップを取っていても災害などの際には役に立ちません。実際に東日本大震災の時にも泥だらけになったパソコンがたくさん運ばれてきました。特に、仕事で使っているパソコンはデスクトップが多いので持ち出した方はほとんどおらず、水浸しになってしまったと。

そういった問題を何とか解決できないかと思い、クラウドに自動的にバックアップが取れていればデータがなくなることはないということで、AOSBOXというデータのクラウドバックアップサービスを始めました。今は40万人ほどいる会員のデータバックアップをとっています。そこで、この事業に関しては別の会社を作ったほうがいいだろうということで、AOSデータとして分社化しました。

会社としてはデータを復旧するというところから始まっていますが、そこからリーガルテックが生まれたり、あるいはクラウドバックアップが生まれたり。そういうかたちで事業を拡大しています。」

情報漏洩防止のために企業がすべきこととは

ブロックチェーンを使えば効率的に情報を保護できる

――データに関するトラブルはどの企業にもつきものですよね。データ紛失だけでなく、企業の情報漏洩に関して気を付けるべきポイントはありますか。

「まず、紙の情報をなるべくなくしたほうがいいと思います。紙をスキャンしてそのデータをクラウドに保存する、などの簡単な手段でもいいので。そして、デジタル化した情報はブロックチェーンで保護するのが一番安全です。ブロックチェーンを使えば情報の改ざんができなくなるからです。ブロックチェーンの活用方法は、後ほどお話しするAPIを利用すれば簡単に見つけることができます。」


前編はここまで。
大事なデータを失くしてしまった経験は、誰にでもありますよね。そんな人をサポートするデータ復旧技術は、今後ますます求められていくのではないでしょうか。
後編では佐々木様が持つ社長としてのこだわりや、会社の展望を伺います。

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この記事を書いた人:

鈴木まい

鈴木まい

Paid学生インターン。趣味はミュージカル鑑賞です。AIやロボットが好きで、家にスマートスピーカーを置くのが密かな夢です。

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